一つひとつのビルや地域と真摯に向き合い、その価値を高めて将来へと受け継ぐ。
ビルの工事管理に携わる技術者として、武藤大輝は着実に経験を積んでいます。上司の三宅豊実が期待するのは、受け継がれてきた手法を武藤が磨き、自身のスタイルに進化させることです。

武藤 大輝 MUTO Daiki
技術統括部 技術一部 工事1グループ 2020年入社

三宅 豊実 MIYAKE Toyomi
技術統括部 技術一部 工事1グループ 2004年入社

武藤)
私たちが所属している技術一部は、当社が所有する田町センタービル・新田町ビル・第二田町ビル・第四田町ビルの4棟を担当しており、工事1グループでは主に工事管理の業務を担っています。主要な業務は、ビルの長期修繕計画等に基づいて計画的に実施する「ビル工事」と、お客様の入居工事やレイアウト変更工事、原状回復工事などを請け負う「請負工事」の2つ。お客様や工事業者との打ち合わせ・現地調査のほか、工事の仕様書や工程表などの資料作成、現場管理や工程管理といった業務に、日々従事しています。
三宅)
当社はビルオーナ―であり、施工会社でもあります。当社はその両方の立場で仕事を行っているのですが、私たちのグループではそれに加えて、事務所や店舗の内装監理などを行うビルをマネジメントする会社でもあり、第三の立場での仕事も経験できます。それぞれの立場で、しっかり自分の役目を果たして行くことが重要ですね。
武藤)
ビル工事の観点では、ビル管理をするだけでなくオーナーであることが当社の大きな強みです。長期修繕計画などを通じてビル全体のことを自分たちで長期的な視野で考えることもできますし、トラブルが発生した場合は現地の状況を確認してすぐに対応することもできます。リニューアル工事や設備の更新工事を通じてビルの価値を上げお客様に長く入居していただくことは、賃料による継続的な収益にも直結するので、自分たちの仕事の重要性も意識しています。
三宅)
オーナーが自ら工事の詳細仕様検討まで行っているビルは少なく、自分たちでそれを考えて実行することは、私たち技術者の醍醐味です。たとえば、武藤さんの提案でトイレの色をこうしたい、こんな設備を導入したい、といった仕様をある程度考えて、それを検討することもあります。技術者が在籍することは会社としての価値でもあり、協力会社とも一歩踏み込んだやり取りをすることができます。
武藤)
第四田町ビルに設置した「セットアップオフィス」の担当を任せて頂いた時は楽しかったですね。セットアップオフィスとはオフィスの内装や什器などをビル側で用意し、ある程度完成された状態でお客様に入居していただくオフィスのことで、レイアウトや仕様を一から検討し、何もないところから部屋ができていく面白さがありました。またオフィスや店舗の工事でも、お客様や協力会社の方と打ち合わせを重ねて信頼関係を築き、一緒に空間を作り上げていくことにやりがいを感じます。お客様とはエレベーターなどでお会いすることも多く、長期的なお付き合いになることが多いです。
三宅)
担当が武藤さんに代わってもお客様とのつながりが代々続いていくことは、とてもうれしいですね。工事をして終わりではなく、お客様との日々のコミュニケーションを深められるのが、当社の仕事の良さの一つだと思います。

伝承される技術と真面目さ。お客様と確かな信頼関係を築くために。
武藤)
学生時代は建築系の大学院で、ビルの省エネなどを研究していました。当社を志望したのは、オフィスのレイアウトや、省エネに関わる施設管理に携わりたかったのが理由です。
三宅)
私の場合は建築でも意匠系を学んでいたのに対して、武藤さんは設備など当社のビルマネジメントに合った分野を専攻していたので、初めて会ったときは戦力になる新人が来たなと思いました。エルダー(指導員)として彼の教育を担当したのですが、当時はちょうど新型コロナウイルスの感染拡大の影響で在宅勤務になり、一緒に現場に行くのが難しい時期でもありました。
武藤)
入社してから工事も少しずつ再開され、徐々に現場で学ぶ機会も多くなっていきましたが、最初に担当した入居工事で、連絡が上手く伝わっておらず電気関係の協力会社にご迷惑をおかけし、お叱りを受けたことがあります。そうした失敗も経験しましたが、それでも仕事を終えた時には、大きな達成感がありました。
三宅)
お叱りを受けた場合も、指導員である私が現場で対応しては意味がありません。武藤さんが責任を持って自分の言葉でお詫びをして、理解を得ることが大切だと思っています。指導にあたっては、お客様や協力会社の方と信頼関係を築いてもらうように心がけていました。もちろん技術的なことに関しては、私が経験したことも全て継承していきたいと思っています。
武藤)
三宅さんをはじめ先輩や上司の方々は、私の仕事のフォローだけでなく、わからないことを質問すると気さくに答えていただいたり、一緒に調べていただくこともあります。皆さんの知識に驚かされたのと同時に、温かい職場だなと感じました。
三宅)
わからないことがあればみんなで一生懸命調べて解決しようという気質は、当社に脈々と受け継がれている社風なのかもしれません。
武藤)
技術部門以外にも営業や経理など他部署の方とも話す機会が多いのですが、当社は温厚で真面目な方が多いですね。ビル内で起こったトラブルが些細なものであっても、真摯に向き合っていく姿勢には、根本から真面目な企業風土があるのだと思います。
三宅)
誰もが真面目と認める武藤さんが言うのだから、他の社員も真面目なのでしょう(笑)。ビルやお客様、地域に対して一生懸命な当社のスタンスが、将来も受け継がれていくのだと思うと安心します。

田町という街への愛着と責任感が、技術者を一歩ずつ成長させていく。
三宅)
先輩方も、自分たちのビルや田町という街に対して真面目で、思い入れの強い方が多いです。街に根ざした企業ならではの責任感のようなものを感じますね。
武藤)
私も田町への愛着が湧きました。入社当時に入居した借り上げの独身寮は徒歩10分の場所にあって、仕事だけでなく生活面でもこのエリアで過ごしたことが大きいのかもしれません。また結婚した後に移り住んだ借り上げ社宅も通勤30分圏内にあり、非常に助かっています。
三宅)
福利厚生という点でいえば、私は出産時の産休や育休に加えて、復帰後もフレックスタイム制度を活用し、出社時間を30分遅らせる調整をして、子供を送り出してから家を出ることができました。男性の社員も積極的に育休を取得していますね。
武藤)
自分の将来に関しては、先輩方のように豊富な知識を身につけて、ビル自体の価値を高められるような取り組みに携わることができたらいいなと思います。田町駅の周辺では再開発がどんどん進んでおり、いつかはビルの建て替えも担当してみたいです。
三宅)
私から武藤さんや後輩に伝えたことを、彼らが自分たちの形にして、新しいものに変えていってくれたらうれしいですね。彼らの新しいやり方から、私自身も学び続けていきたいと思っています。
武藤)
自分の今のレベルでは、個性やスタイルと言えるようなものにはまだまだ達していません。学びながら経験を積み、一歩ずつ成長していくことを目指しています。
三宅)
本人は気づかなくても、徐々に武藤さんの形ができてきていると思いますよ(笑)。自信を持って楽しく仕事をして、さらに突き抜けてくれることを期待しています。
