技術と人々をつなぐコミュニケーションの匠。

どんなに優れた製品や技術でも、安全かつ適切に使われなければ、性能をフルに発揮することはできません。製品がしっかりと役割を果たすために、さまざまな角度からものづくりをサポートするのが、MHIさがみハイテックの車両技術部。材料分析調査や開発・実験、品質保証の業務支援、サービスマン(整備士)の研修など、その業務は多岐にわたります。資料やコンテンツの制作においては40年以上の実績を有しており、最新のITにも通じたプロフェッショナルが活躍しています。

みやぎ かずや 車両技術部 資料グループ 

第1章 文系出身者が触れた、ものづくりの後工程

エンジンやフォークリフトなどの製品がお客様のもとで適切に運用してもらう為には、さまざまなドキュメント(資料)を必要とします。主なドキュメントには、ユーザーが日々使う取扱説明書、メンテナンスのための整備解説書、部品を発注する際に用いるパーツカタログの3種類があり、この他にもサービスマンを育成するための研修資料などが含まれます。媒体は紙に限らず、WEBや動画などのデジタルコンテンツも年々増加しており、それらの資料やコンテンツを制作するのが、資料グループの宮城の業務です。
「お客様が必要とする技術情報を、タイムリーかつ正確に伝えられるか。必要に応じて営業・設計・製造などの担当者に取材を行い、集めた情報を整理して公開するというのが、我々の仕事です」と語るように、ものづくりの最前線に触れることのできる現場。宮城は文系出身でありながらも、在籍18年の間に多種多様な製品に携わり、社内や顧客から大きな信頼を得てきました。
「今では、最先端のデジタルコンテンツに対する知識も求められます。動画制作やeラーニングなどの要望があったり、VRや3Dデータを扱うコンテンツが増え、仕事の範囲は広がっていますね。私自身も、AIやIoTを見据えて取り組んでいます。一方で、紙の資料のニーズは根強く、デジタルとアナログの双方の要望に対応できることが望まれています」

VR画像
資料画像

第2章 双方向なコンテンツで現場をサポート

現場でサポートしている業務の一つが、三菱重工のポータルサイトの運用管理です。ポータルサイトは相模原だけでなく世界各地で生産されている製品が1台ごとに登録されたWEBシステムであり、国内外の拠点・販売店やサービス担当などの関係者が利用できます。宮城はユーザーの要望を反映した新機能の企画や、インタラクティブなコンテンツの制作などを行っています。
「製造業を支える現場でも、VOC(ボイス・オブ・カスタマー)の重要性は増しています。生産拠点や販売店、サービスマンなどのさまざまな人と、このサービスポータルを通じてやりとりすることで、お客様の声を反映していきたい」と話す宮城。ポータルサイトを通じて製品ごとの稼働状況やメンテナンス情報なども共有できるようになり、アフターサービスの向上や設計現場へのフィードバックも進んでいます。
「私は直接に設計したり実験したりする立場ではありませんが、サービス資料を通じていろんな製品に携わったり、海外拠点の人と関わることができ、他にない仕事をしていると感じています」と、仕事のやりがいについて語る宮城。
彼のような仕事はマニュアル業界では「テクニカルコミュニケーター」と呼ばれるそう。まさにコミュニケーションの匠といった具合に技術・製品・サービスの橋わたしの核を担い、宮城は日々自らの技術を研鑚し続けているのです。

VISION

米国のフォークリフトの拠点に3カ月滞在した際、文化の違いに戸惑いましたが、事業を成功させようという情熱は、国境を越えて同じなのだと感じました。当時の経験は帰国後にも生かされました。当社は世界中にビジネスを展開しており、いろんなことにチャレンジできるのが特徴。私も将来はさらにグローバルな活躍を目指しています。