Future 環境装置製品の最新の取り組み

日本では循環型・低炭素社会づくりに、海外ではアジアをはじめとした各国の力強い経済成長に歩調を合わせた都市環境保全・改善と廃棄物のエネルギー利用拡大に、三菱重工グループが持つ多彩な技術力とエンジニアリング力を結集して取り組み、社会と産業の発展に貢献し、世界中の人々に喜んでいただける技術の確立を目指します。

ごみ焼却施設最適運営に向けた遠隔監視・運転支援システム導入への取組み

近年,ごみ焼却施設のニーズとして,施設の安定稼働とコスト削減の両立がより求められることが多くなっている。また,ごみ焼却施設の運営形態が地方自治体による運営から,民間を活用した DBO へと移行するケースが増加している。さらに,ベテラン運転員(オペレーター)不足が進んでおり,これまでのように各現場での運転・管理だけではなく,遠隔からの支援が重要な課題となっている。

このような中,当社では,ごみ焼却施設のエンジニアリングや調達,建設だけでなく,その後の長期間の運営まで請け負う案件が増加している。複数の焼却施設の運転状況を MHIEC 本社(横浜市)で一元管理すべく,遠隔監視・運転支援システムを構築し,各施設の運転データを集約・分析し,得られたノウハウを水平展開することによって,運営の高度化・効率化を図っている。

ごみ焼却施設における排ガス中の水銀除去システム

水銀及び水銀化合物の人為的な排出及び放出から人の健康及び環境を保護することを目的とした“水銀に関する水俣条約”が 2017 年8月 16 日に発効し,大気汚染防止法の一部を改正する法律(以下“改正大防法”)及び関係法令が 2018 年4月1日から施行された。改正大防法の施行に伴い,水銀排出基準の遵守,排ガス中の水銀濃度の定期的な測定等が義務付けられ,ごみ焼却施設を含む廃棄物処理施設においても新設・既設を問わず,対応が求められることとなった。三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)(以下,当社)では,水銀排出抑制の社会的ニーズを鑑み,安価で排出基準の厳しい新設にも対応可能な水銀除去システムを開発した。

低炭素化社会に貢献するごみ焼却施設の基幹的設備改良技術

近年,国内では,低炭素化社会の実現,ストックマネジメントの観点から,老朽化したごみ焼却施設の省エネ化・延命化を目的とした基幹的設備改良工事が進められている。三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)(以下,当社)では,“いわき市北部清掃センター”において,CO2 排出量削減を目的として,排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)と高度安定燃焼制御を組み合わせた最新低空気比燃焼システム(EGR-PLUS®),及び小型発電機を導入した基幹的設備改良工事を実施した。本報では,工事概要及び工事後の運転状況について紹介する。