エンジニアレポート

山田 由美

山田 由美

所属部門 炉心・安全設計部
役職 部長
  • 将来を見据えた長期的な研究開発
  • ワーク・ライフ・バランスに関する経験談

Interview

将来を見据えた長期的な研究開発

コンピューターによるシミュレーションの仕事がしたくて入社し、新型炉、主に、ナトリウム冷却高速炉の開発に従事しています。蒸気発生器の設計から始まり、当時、最先端だったスーパーコンピューターのCRAYを使用した多次元流動解析、様々な事故を想定した安全評価、その評価を行うプログラム開発等の仕事をしました。若いころは、新しい解析モデルを組み込んだプログラムを作るのが楽しくて仕方がなかったのを覚えています。高速炉は国内開発技術を採用する方針だったこと、他と比べてプロジェクトの開発期間が長かったこと等があり、じっくり腰を据えて、開発業務に従事することが出来ました。面白そうな仕事だったら、好き嫌いせず飛び込んでしまう癖があり、技術分野を気にせずいろいろな仕事をしていました。

ワーク・ライフ・バランスに関する経験談

そんな私も、「子育て中に仕事を続けるのは自分のわがままで、周りに迷惑をかけ、どちらも中途半端になっていないか」と悩んだ時期があります。その当時の上司が「子供はすぐに大きくなる。今の状況はあなたの人生のごく一部で、今思うようにできない分を、将来的に返してもらえればそれでいい」と声をかけてくれ、気持ちがすっと楽になったのを覚えています。また、大学との共同研究を実施していた関係で、社会人大学院に入学にする話が浮上しました。仕事をしながら博士号の取得に挑戦するので、これ以上忙しくなるのではないかとためらっていた時に、背中を押してくれたのもこの上司でした。目先の利益ではなく、私の将来を考えたキャリアプランまで考えていただいていたのです。博士までの道のりは、予想通り非常に大変で、自分が大変だっただけでなく、家族、特に小学生だった娘にはさびしい思いをさせてしまいましたが、なんとか博士号を取得することができました。博士号取得までの経験、それは論文の書き方等の形式的なことから、ロジカルな考え方等の精神的なことにまで及びますが、それが今の私に非常に役に立っています。

その甲斐あってか、今では管理職を仰せつかっています。この上司を見習い、将来を見据えた人材育成を肝に銘じています。また、今の私があるのは、多くの先輩や同僚の暖かい励ましと、ご指導のおかげです。一人では仕事はできない、協力してこそ、成果は何倍にもなります。本人が頑張るだけではなく、周りが協力できるような体制も整えていきたいと思っています。

このホームページを読まれている方に

自分の人生を長い目で見つめて、いろいろ挑戦してみましょう。たとえ、うまくいかなかったとしても、それは自分にとって素晴らしい経験になります。一見遠回りに見える仕事も立派な経験です、役に立たない経験なんてありません。

井手 章博

井手 章博

所属部門 プラント設計部
役職 主任
  • 地球温暖化問題の解決と地球規模でのエネルギー問題の解決に向けた貢献
  • 一流の系統設計者を目指して
  • 次世代の原子力技術の開発に向けて

Interview

地球温暖化問題の解決と、地球規模でのエネルギー問題の解決に向けた貢献

この仕事を選んだきっかけを辿れば、1997年に採択された第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)の京都議定書に行き着きます。当時中学生だった私はメディアを通じて地球温暖化問題について知り、漠然と、地球に何か大変なことが起きていると感じました。地球温暖化問題に対して自分なりに貢献したいと考えたことが、結果として原子力分野の道に進むことに繋がっています。

この地球温暖化問題を解決するためには人為的な温室効果ガスの排出量を抑制することが必要とされており、原子力技術は発電設備から排出される二酸化炭素量を抑制するための有力な手段として考えられています。さらに現在当社が中心となり開発を進めている高速増殖炉は、地球温暖化問題だけでなく、例えば2015年の国連サミットで採択されたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の「全ての人々に対するクリーンエネルギーへのアクセスの確保」、「持続可能な経済成長」、「強靱な産業基盤の整備」といった分野に対しても貢献出来ると考えています。

一流の系統設計者を目指して

入社後は一貫して高速増殖炉の系統設計に携わっています。この系統設計という設計技術は、火力プラントや化学プラントの分野ではプロセス設計と呼ばれており、各系統に課された目的を達成するためのプラント構成や仕様、運用を決定するプラント設計の最上流に当たります。原子力プラントには多数の系統がありますが、この系統設計は、機械、電気・計装、熱、流体などといった技術的な知識を基に、プラント全体に亘る一つ一つの技術分野を統合する役割も担っています。さらに原子力プラントの場合は前述の技術分野に加え、放射線安全や炉心(核、熱)といった分野も加わります。このため、得るべき知識の幅はとても広く、かつそれらのバランスを取ることは容易ではありません。単純に個々の技術分野を足し合わせるだけではプラントは出来上がるものではなく、出来たとしても非常に高価な製品になってしまいます。

ここで重要となるのが全体最適という視点です。今後、一流の系統設計者として高速増殖炉の開発を推進するために、自分が専門としている技術分野だけでなく、他の技術分野の特性を理解した上で、個々の技術分野の部分最適を超え、プラント全体の最適解に向けて設計を前に進めることを常に意識しています。

私が今参画しているプロジェクトは大きく二つ、日本国内に立地する高速増殖炉の開発と、日仏共同によるフランス立地の高速炉の開発です。前者では、燃料取扱設備と呼ばれる、新燃料をプラントに搬入してから使用済燃料を搬出するまで、核燃料を安全に取り扱うための一連の設備の設計を担当しており、この業務を通じて系統設計に必要な知識に加えて複数の技術分野に亘る設計のマネジメント能力を養いました。この能力を活かしつつ、後者のプロジェクトでは崩壊熱除去設備と呼ばれる、プラントで事故が起きた際に燃料を安全に冷却するための設備の設計を取り纏め、客先である仏国との技術仕様の調整並びに報告を行っています。いずれのプロジェクトにおいても、原子力発電所を構成するほぼ全ての技術分野と調整しながら、全体最適を図り設計を前に進める能力が求められます。また、設計をマネジメントするには、技術的な能力だけではなく、客先、同僚技術者、協力会社の技術者といった方々との信頼関係の構築が非常に重要です。労力を要する作業であるほど人には頼みにくいものですが、周囲の協力を得なければ仕事を前に進めることが出来ません。指示する内容が悪ければ周囲の方にムダ作業を発生させてしまいます。しかしプロジェクトメンバーと協力しアウトプットを1+1=2ではなく3にも4にも仕上げるのはマネジメントの醍醐味です。多くの方々と協力しながら設計を進める経験の中で得る知識や技術もまた、系統設計者としての自分を成長させてくれます。

次世代の原子力技術の開発に向けて

原子力発電所が必要と判断されている以上、福島第一原子力発電所事故の反省を活かした安全性向上のための継続的な活動は必須です。一方、安全性向上対策には相応のコストが掛かるため、他電源に対する原子力発電所のコスト競争力を損ねてしまいます。高速増殖炉が実用化されるまでには数十年という長い時間がかかりますが、コスト競争力を兼ね備えた再生可能エネルギーや蓄エネルギー技術が台頭すると考えられる近い将来、高速増殖炉に求められる役割は今のままではないかも知れません。このため、将来の日本のエネルギー政策や世界のエネルギー需要を見据えた発想とそれに向けた方針設定が必要となります。

当社はこのように非常にスケールの大きい仕事に真正面から取り組むことが出来る会社です。この会社で私がやりがいを感じるのは、自分も地球規模の問題の解決に貢献できると思えることです。このやりがいが仕事への誇りを生み、責任感が生まれます。

現在就職活動されている学生の方へ。答えは走りながら探せば良いので、必ずしも明確なキャリアビジョンを描いた上で就職活動する必要はないと思います。学校で学ばれたことはもちろん重要ですが、変化が速い今の時代、会社に入ってからも勉強し、成長を続けることの方が重要です。将来の自分の姿を思い描く際、自分が何に対してワクワクするか、シンプルに自分の気持ちを感じてみて下さい。この「ワクワク」が仕事選びの道標になると思います。

原子力の未来は明るいものばかりではありませんが、原子力技術の可能性を信じることができる方、共にチャレンジしてみませんか。

斎藤 裕幸

斎藤 裕幸

所属部門 炉心・安全設計部
役職 主任
  • 技術を通じた社会貢献を
  • ワーク・ライフ・バランス

Interview

技術を通じた社会貢献を

学生時代は鉄鋼材料及び形状記憶合金に関する研究をしており、高速増殖炉とは接点がありませんでしたが、東日本大震災発生前であり、「原子力ルネッサンス」と言われていた時期でしたので、漠然と原子力業界も良いなと考えていました。就職活動中にたまたま目に入った原子力関係の記事に、「使用した燃料以上に燃料を生み出す夢の原子炉」と紹介された高速増殖炉のことを知り、「技術を通じた社会貢献」をしたいと考えていた当時の私は非常に心惹かれ、高速炉設計の中核メーカーである三菱重工業に入社を決めました。幸運にも入社後直ちに三菱FBRシステムズに配属となり、念願であった高速炉の炉心燃料設計に携わることができました。

私の主な業務は炉心燃料設計であり、高温・高照射量という厳しい環境下で使用される燃料ピンが運転中に破損しないように設計します。具体的には、炉心燃料の温度や強度を計算し、その結果に対して適切な裕度を持たせることで安全・健全性を確保しながら、合理的な設計を目標とします。

これらの計算に使用するソフトは多くの場合、市販されていないため、自分達で開発する必要があります。例えば、燃料集合体内では多数の燃料ピンが束ねられており、熱応力等により生じる燃料ピンの変形は燃料ピン同士の接触を考慮する必要があるため、大規模な接触問題を解く必要があります。市販の解析ソフトでは短時間で解くことができないため、自分達で開発に取組み、結果として計算時間を秒単位迄に短縮することができました。

このようなソフト開発業務は多々あるわけではありませんが、自身の知見を広げられること、これまで不可能であったことを可能にすること、また、これを活かすことで三菱独自の炉心燃料設計も可能となるので非常にやりがいのある仕事です。

ワーク・ライフ・バランス

弊社では、定型化されていない業務も多く、若手のうちからチャレンジングなテーマにも主体的に取組める機会があります。最近では若手の間でAI技術の勉強会を実施し、その成果を反映した新たな設計方法の開発も試みられています。また、ソフト開発についても、私が担当を希望したところ、未経験であるにも関わらず受け入れられました。さらに、弊社は在宅勤務やフレックス出社等の制度も整備されており、自分にあった働き方をすることで、公私共に充実した日々が送れると思います。

学生時代はテニスに、社会人になってからはゴルフに熱中しました。現在は、息子と遊ぶことに熱中しており運動不足中ですが、充実した毎日を送っています。楽しみは、週1で大好物のうなぎを食べること、有給休暇を利用して遊園地で息子と遊ぶことや読書等です。

市原 隆司

市原 隆司

所属部門 プラント設計部
役職 主任
  • 高速炉開発の仕事
  • 入社経緯~現在のワーク・ライフ・バランス

Interview

高速炉開発の仕事

私は、原子力事業の中で主に高速炉の熱交換器の設計を担当しています。設計とは言いますが、図面を引くのではなく、熱交換器の伝熱性能や構造健全性、製作性等を評価しながら、熱交換器の構造を具体化していくような業務になります。

この仕事のやりがいは、若い時から機器の設計担当を任されるため、責任をもった仕事ができることです。安全で、性能が良く、作りやすく、品質の高いものになるよう、設計していく必要があります。そのためにも、過去の評価内容を学び、周囲の有識者の方に相談しながら、評価をどうしていくべきか、構造をどうするのかを自分で判断していきます。さらに、その判断をお客様にも理解していただく必要があるのですが、その説明も若い時から機器の設計担当に任されます。ここには書けないような失敗ももちろんありますが、それ以上にやりがいのある仕事だと感じています。

高速炉の開発はいつも順調というわけではありません。長い年月をかけて高速炉の技術を積み上げていくことが重要だと思っています。そのためにも、今自分にできることは何かを常に考え、設計作業を進めていき、高速炉の技術を後世につなげていきたいと思います。

入社経緯~現在のワーク・ライフ・バランス

学生時代は自動車関連の研究を行っていました。就職活動をしていた時には、漠然と、技術的な業務ができ、人の生活の根幹に携わるようなことができないかと考えていました。そんな時に、三菱重工に出会い、ものづくりに対するプライドを感じ、また、人の生活の根幹に係わるインフラ事業を数多く手掛けていることを知りました。数ある事業の中で、私は特に原子力事業の「新型炉」に興味を持ち、新しい分野で自分の能力を磨き続けたいと思い、三菱重工を選びました。そして現在、「新型炉」の設計の中核であるこの三菱FBRシステムズに出向しています。

入社してから、熱交換器の設計だけでなく、検査装置の開発や、既存プラントの設備点検等、多くの製品、業務に携わることができました。入社9年目の今でも、新たな業務を担当することもあり、自分の能力を磨き続けられる環境にあると感じています。

2017年12月に3人目の子どもが産まれ、妻をできるだけサポートできるよう、週末は育児に奮闘しています。また、この会社では、フレックス出社が可能なので、子どもの幼稚園の朝の送りをしてから会社に行くこともあります。また、有給休暇を積極的に使うこともできるので、平日の幼稚園行事にも参加するよう心がけています。毎晩、息子、娘たちの寝顔を見て、「明日も仕事をがんばるぞ!」と心の中で思っています。