【GTCC事業部・サービスエンジニア】壁を越えてさらなる高みへ。アフターサービスでGTCCを支えるグループ長の矜持
※記載内容は2025年2月時点のものです
GTCC事業部に所属し、火力発電所のアフターサービスを行う部署でグループ長を務める平田 貴大。定期点検工事や、設備トラブルなどの非常事態に対応するメンバーたちを取りまとめています。重責を担う平田が、困難を乗り越えたエピソードやマネジメントで心がけていること、新たなチャレンジについて語ります。
火力発電所で保全や改善を推進。営業と連携して最適なソリューションの提供へ
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)のエナジードメインGTCC事業部 日立ソリューション技術部 建設工事グループで、グループ長を務める平田。部署について次のように説明します。
「GTCC事業部とは主にGTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)というクリーンで高効率な発電設備の開発、設計、製造、据付、アフターサービスを取り扱う部門です。
そのGTCC事業部の中で日立ソリューション技術部は約200人が所属しており、発電事業者(電力会社等)や石油、化学プラント工場をお客様として、火力発電所に納入する蒸気タービンやガスタービン、その周辺機器を長く安全にご使用いただくために、保全や改善にむけた技術検討、提案をしています。
日々、関係部署と連携しながらお客さまのご要望に対して最適なソリューションを提供することがわれわれのミッションです。取り扱う機器は数十年前に納入した機器から最新鋭機器まで幅広く、古い知識だけでなく新しい知識も活用しながら技術検討を行います。
また、われわれの部門の業務は設計から、モノづくり、現地工事、試運転等多岐にわたり、さまざまなバックグラウンドを有しているメンバーが集まり一丸となって業務をしているため、他会社での経験も活かせる職場です。
われわれ建設工事グループは約40人が在籍し、火力発電所の定期点検に関わる現地工事業務を任され、見積、計画から業者の選定、発注、遂行など一連の業務を担っています。地震などの非常事態が発生した際の対応も大切な仕事です。速やかに関係者と共に現地に出向き、お客さまに寄り添い復旧の進め方や工程を一緒に考えながら取り組みます」
建設工事グループは、工場内に点在していた同様の業務を行っている各部署のメンバーを集め、効率的に業務を進める目的で2019年に発足。グループ長として指揮してきた平田は、メンバーのモチベーション向上に力を注いでいると言います。
「年々変化する法規に常にアンテナを張りながら、各現場の人員配置や予算管理を進めています。人員配置では適材適所を意識して『あなたにはこういう経験があるのでぜひこの現場に行ってほしい』と伝えるなど、メンバーがより意欲的に働けるように工夫を重ねています」
職場の雰囲気に関しては、「横のつながりを深めやすい環境」と実感を込めて語ります。
「在籍するメンバーの年齢層は幅広く、30代から60代のシニアまでが業務に懸命に取り組み、職場全体として明るい雰囲気だと思います。日常の業務のほか、駅伝大会等の工場レクリエーションを通じて横のつながりを深めることもできますし、若手が先輩社員に気軽に相談できるような風通しのよさがあります」
どんなに困難な状況であっても、ポジティブな姿勢で周囲を巻き込み解決へ
学生時代には電気電子工学科で学び、半導体の製作に使う光源について研究していたという平田。「卒業後は地図に残るような仕事をしたい」と発電所の建設に携わる仕事を希望し、2003年に株式会社日立製作所に入社しました。
以来、日立製作所と三菱重工の発電部門統合により三菱日立パワーシステムズ株式会社(その後、三菱パワー株式会社に社名変更)、三菱重工へと変遷を重ねながらも、一貫して火力発電関連の業務に従事。その中で、自らの考えが大きく変わるような出来事があったと振り返ります。
「2019年に三菱日立パワーシステムズの建設工事計画部から、現在の日立ソリューション技術部の前身である日立サービス部に異動した時のことです。私のような建設の出身者だけでなく、製造など各部署から人が集まった新設グループで活動する中で、ある仕事を製造部へお願いしたところ、調整がうまく進まない事がありました。
当初はなぜ事が進まないのかがわからなかったのですが、他の製造出身の方が『あなたの言っていることを、相手はこのように捉えたんじゃないかな』と教えてくれて、ようやく自分のものの見方が一方通行になっていたことに気づいたんです。
自分の考えが常に正しいわけではなく、相手の立場になって物事を考えることが大切だと痛感しました」
壁を乗り越え、成長を遂げてきた平田には、普段から大事にしている価値観があると言います。それは「どんなに困難な状況であっても前を向いて進んでいくこと」です。
「今のようなアフターサービスの仕事をしていると、設備などに不具合が起きた際、昔の図面を確認して『図面と現物が違う』と判明することがまれにあります。
そんな時は『誰が悪いのか』といった後ろ向きの議論は二の次に、お客さまのために一刻も早く復旧させることを第一に考えて取り組みます。もちろん、原因を探ることは必要なのですが、ポジティブなマインドで周囲を巻き込んで解決へと導いていくことを大切にしています」
地震が発生し、託された現場復旧。期限と闘いながら工場全員の総力戦で乗りきる
これまでの仕事の中でもとくに印象深いエピソードとして、グループ長として対応した非常事態を挙げます。
「福島県と宮城県で2021年、22年と2年続けて震度6強の地震が起きた時のことは、今でもよく覚えています。われわれ日立工場が納入したタービン設備が損傷、加えて土台(基礎)部分が損傷し、どのように復旧させるべきかと最初は途方に暮れました。
もっとも頭を悩ませたのは期限との闘いです。修理が完了するまで発電はできず、当該エリアの電力需給は逼迫してしまいます。生産活動や経済への影響、日常生活への影響も危惧された状況下で、お客さまや国からの早期復旧要請も有り、決められた期限内に復旧を完了させる必要がありました。
部門の枠を超えた総力戦で、工事グループだけでなく営業、設計、技術グループ、製造、品証など、日立工場一丸で対応、現地工事は工事業者の方々に協力をいただき早期復旧を達成することができました。
私が注力したのは、関わる人たちの士気を高めることです。方針を決める事が難しく、現地で作業期間が限られる中で不安を抱いていたメンバーに対しては、『大丈夫だ。やりきれる』と鼓舞し続けました。
走りながら決めていくことも多々ありましたが、関係部署と一つひとつの事項を調整しながら進めていき、期限内に無事に終えた時には本当に安心しました。日立工場の全員が一丸となって挑んだことが完遂の原動力となり、工場の団結力を実感した瞬間でした」
社会的に影響の大きい仕事を、いくつもやり遂げてきた平田。三菱重工業で働く魅力について、「インフラの維持に関わるやりがい」と「職場環境のよさ」の両面から語ります。
「われわれの仕事は、カーボンニュートラルをめざし、水素やアンモニア燃料を利用する次世代につながる発電所発展の一端を担います。エネルギーの安定供給と環境負荷低減の両立という重要な使命を背負っていることを実感する日々です。そのような仕事に就いていることを誇りに思っています。
また、働く環境について言えば、介護や育児、病気療養と仕事との両立支援など各種制度が確立されています。男性の育児休業も浸透しつつあり、有給休暇も気兼ねなく取得することができて、ワークライフバランスが整えやすい環境だと日頃から感じています」
チャレンジのしがいがある環境。業務効率化や新たな取り組みも積極的に進めたい
発電市場において環境負荷低減への要請が高まる中、平田は部署としてのビジョンや今後実践していきたいことについて、力を込めて話します。
「この市場は今、大きな変革期を迎えています。われわれに求められている役割は、環境負荷の低減につながる製品を世に送り出してエナジートランジションを実現することです。
日立工場のガスタービンのラインナップなどをアピールしながら、お客さまに末永くより安心して使っていただける方法を日々考え続けていきたいと思っています」
同時に、業務の効率化や新たなビジネスの構築といった将来を見据えたチャレンジも、積極的に進めていきたいと意欲をのぞかせる。
「現在、定期検査の各現地で行われている教育を工場からオンラインで一斉実施することで、現地管理者の業務を軽減するなど、労働時間を短縮しながら品質と安全を確保する取り組みを進めています。
これからはAIやドローンなどの最先端の技術をどんどん取り入れて業務の効率化を推進し、結果的にお客さまへのよりよいサービスの提供につなげていければと考えています。
また、これまでの当たり前を変える取り組みも進めています。工期の短縮や人員の削減など、お客さまのニーズを的確に把握した上で実現していけるように詳細を詰めています。
今回は工事に関する内容が主でしたが、業務効率化や改善は組織として取り組んでいるため、工事関係のみならず、機械や電気、品質管理、試運転の知識を有する人を適材適所に採用、増員し、組織をますます発展させていきたいですね」
管理職として、これからどのような役割を果たしていきたいか──。平田は3つのポイントを掲げながら、想いを口にします。
「まずは、成果が出る組織をつくっていくこと。次に、一人ひとりがモチベーション高く働くことができる環境を提供すること。そして、新しい試みに挑戦することです。
当社は、目標をみんなで共有しつつも、そこに至るまでのアプローチの仕方についてはそれぞれが主体的に提案できるような環境なので、チャレンジのしがいがあると常々感じています。将来の予測がしにくい時代に突入していますが、仲間たちと共に手を携え、果敢に道を切り開いていきたいと思っています」