つなぐプロフェッショナルの挑戦。データセンター事業で描く、技術者たちの化学反応
※記載内容は2025年12月時点のものです
デジタル変革に伴い、データセンターの需要が高まっている昨今。三菱重工の成長推進室ではデータセンターのエンジニアリングやサービスに関する新規事業の立ち上げがスタートしています。2024年10月入社の宮﨑 涼もそのメンバーの1人。三菱重工で新規事業立ち上げに挑むおもしろさや可能性について宮﨑が語ります。
業界の「後発」から「先駆者」へ──データセンター事業を通じた三菱重工での新たな挑戦
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)の成長推進室データセンター&エネルギーマネジメント部で、データセンター事業の立ち上げに携わる宮﨑。2024年10月に入社したばかりの新メンバーですが、これまでのデータセンター業界での経験を活かし、新規事業の確立に向けて奔走しています。
「私が所属しているデータセンタープロジェクトグループ遂行チームでは、データセンターのエンジニアリング・機器調達、そしてサービスの両方をワンストップで提供できる事業を検討しています。
データセンターのエンジニアリングではお客さまの要望に合わせたデータセンターコンセプトの提案に携わりつつ、その後もお客さまとつながっていけるよう、データセンター運営開始後のサービス・メンテナンスの提供について検討しています」
20名ほどのメンバーで構成される遂行チームの中で、宮﨑は主にデータセンターの電気設備を中心とした仕様の検討を担当。前職の経験から得た電気設備の知識を活かし、チームの中心的な存在として活躍しています。
「三菱重工には2つの強みがあります。1つは、データセンターに必要な発電機や熱源設備などの機器を自社グループで開発・販売していること。もう1つは、発電所や化学プラントなどの大規模設備での設計や工事の経験があることです。
データセンター業界では後発ですが、これまでの知見やプロジェクト遂行のノウハウを活かせることが大きな強みになっています」
仕事を進める上で、宮﨑がとくに大切にしていることが2つあります。
「1つは、関係者間の調整役として橋渡しの役割を果たすことです。たとえば三菱重工には専門知識が豊富なエンジニアや提案力のある営業など、さまざまなスペシャリストがいます。スペシャリスト同士はそれぞれの視点で物事を見ているので、時には意思疎通に時間がかかることも。そこで私は双方の意図や要望を理解し、円滑なコミュニケーションを実現することを心がけています。
これはお客さまに対しても同様です。お客さまのご要望が曖昧な時には『具体的にはこういうことですか?』と意図を確認し、関係者に共有しながら話し合いを進めていきます。また、ご要望を実現していく中で両立が難しい点においては『ここはこうした方がいいかもしれません』とはっきり意見を伝えることもあります。
2つめは、データセンター業界の急速な動きに合わせた適切なスピード感での対応です。常に100%の完成度を求めて時間をかけすぎることなく、相手が求めるスピード感や完成度に応じて柔軟に対応するように心がけています」
専門分野を超えて追い求めた「新しい価値観」。化学専攻からデータセンターの世界へ
工業高等専門学校から大学まで、7年間化学を専攻した宮﨑。1つの分野を長年学ぶ中で、新しい刺激を求めるようになります。
「長年化学を学んできて、正直やり切った気持ちがありました。就職を機に新しい価値観に触れたいという気持ちが芽生えたんです」
宮﨑が就職活動を始めた頃は「クラウド」という言葉が注目を集め始めた時期。システムエンジニア(SE)の需要が高まり、経験不問で募集をする企業も増えていました。さまざまな価値観を持った人が集まると考えたことから宮﨑もSEをめざして就職活動を行い、データセンターを運営する会社に入社することになります。
「ただ、入社後結局SEにはならなかったんです(笑)。データセンターを維持するためには電気や空調などさまざまな設備の管理が必要だということを知って、学生時代も熱や電気に関する勉強をしてきたので設備管理の仕事に魅力を感じたため、その道に進むことにしました。最初の7年間はデータセンターの管理業務を担当。その後2年間は、新規データセンターの立ち上げプロジェクトにも参画しました。
データセンターの建設と管理、両方の経験を積めたことは、今の仕事にも役立っていますね。『管理する時こういうことが問題になるんだ』『こういうことに気をつけて建設した方がいいな』という実践的な気づきが多々ありました」
その後、キャリアの幅を広げるため、デベロッパーへと転職。オフィスビルや複合施設の維持管理やエネルギーマネジメント、監視カメラの統合管理システムの構築など、幅広い業務に携わります。
「データセンターで当たり前だと思っていたことが、一般のビルではまったく違うこともあり、勉強になりました。自分が関わる設備や電気という世界の中での常識を知るという意味で、とてもよい経験をさせていただきました」
歴史あるデベロッパーで堅実な仕事をしてきたと語る宮﨑。「そろそろ新しいことにも挑戦してみたい」と思っていた矢先に、三菱重工のデータセンター事業のことを知ります。
「1社目で一緒に仕事をしていた方から『実は今三菱重工でデータセンター事業の立ち上げを行っているんだ』と話を聞いて。私自身、もう一度データセンターに関わりたいという気持ちがあったので、興味を持って選考に進むことにしました 。
入社にあたって大きな決め手となったのは最終面接での部長からの言葉。『最先端の製品と、データセンターのあらゆるユーティリティのニーズに対応するワンストップソリューションを提供していきたい』『数千億円規模の新しい成長ビジネスを作っていきたい』という熱い話を聞き、その立ち上げに携わってみたいと強く共感しました」
技術者たちが紡ぐ新しい物語。データセンター事業で見つけた、想像を超える可能性
入社から早数カ月。入社前と入社後では三菱重工の印象にも大きな変化があったと言います。
「入社前はインフラ事業などにも関わっていることから、重厚長大な企業をイメージしていました。言ってしまえば、大きくて小回りが効かない会社かなと思っていたんです。しかし入社してみると、想像以上に意思決定が早く、次々と新しいことが決まっていくので驚きました。
また、入社してみてとくに印象的だったのは、技術の共有や知の継承を重視している点です。全社規模での研修が頻繁に開催され、ビジネス面から専門的な講習まで幅広く受けられる機会が多くあります。もともと『ものづくりの会社』というイメージが濃厚でしたが、それだけでなくエンジニアリングや技術にも重きを置いているところに感銘を受けました」
所属する成長推進室データセンター&エネルギーマネジメント部は、2024年4月に新設された部署。現在も毎月数人のキャリア採用者が入ってくる活気あふれる雰囲気です。
「他部署から異動してきた人が半分、私のようなキャリア採用者が半分といった人数構成で、全員が手探りで進めている状況です。そのため、堅苦しさを感じることはなく、みんなで一緒に新しいことを作り上げているという心地よい雰囲気があります。
会社の制度や手続きなどに関する疑問もありましたが、数カ月前に入社した先輩が経験済みで親身に教えてくれるので、私もすぐに馴染むことができました」
業務の立ち上がりもスムーズで、すぐに打ち解けられたと語ります。
「前職はコロナ禍に入社したこともあり、マニュアルを読み込むような期間が長く、なかなか実業務に入れなかったんです。しかし当社では、入社初日に現在進行中の案件の図面をもらえて、すぐに仲間に入れてもらえたような気持ちでした。即戦力として求められていることを実感でき、自分にとっては気持ちのよいスタートが切れました。
チームメンバーとは週1回のミーティングだけでなく、相談したいときにすぐ軽いミーティングをすることもでき、連携がとりやすいです。とくに私が大きく関与している電気分野は建築や空調などをはじめとした異なる専門分野を持つメンバーとの連携なくしては業務が進まないため、周辺分野のメンバーとも密接にコミュニケーションを取りながら業務を進めています」
データセンターのエンジニアリング業務について、その魅力について次のように語ります。
「データセンターは独特で奥が深い分野です。お客さまの要求を読み解き、よりよい提案を具体化していくプロセスがおもしろいと感じています。
また、三菱重工は独自の発電技術や冷却技術を持っているため、いずれはそれらをデータセンターに組み込むことで、今までにない新しいデータセンターが作れるかもしれないと思うと、技術者としてもワクワクしています」
三菱重工の技術を結集──成長推進室が描く次世代データセンターへの革新的アプローチ
入社早々事業の最前線で活躍する宮﨑に、三菱重工の魅力を聞きました。
「自身がいる部署についてしかまだわかりませんが、さまざまなバックグラウンドのメンバーが集い、一丸となって新規事業の立ち上げに取り組める環境は大きな魅力ですね。みんなが自由に意見を発信でき、周りもそれを真剣に聞いて一緒に考えてくれるんです。
また、私たちキャリア採用者が入ってきたことによって、三菱重工のポテンシャルがあらためて浮き彫りになったというか。『三菱重工のこんなところがすごいよね!』とこれまで当たり前とされてきた部分にもスポットライトが当たって、それらを活かして事業を作っていこうという気概が感じられます」
現在、データセンター建設のニーズが高まる中、三菱重工としてめざす方向性について、宮﨑が独自の思いを述べます。
「データセンターの建設ラッシュにより、設計会社や工事会社が案件を受け切れない状況が発生しています。そこで三菱重工として提案から建設、運用までのトータルソリューションを提供できる存在をめざしたいですね。
また、当社のオンサイト発電や水素製造、CO2回収などの技術を組み合わせた、環境に配慮したデータセンターの構築も実現できたらおもしろいと考えています」
一方、個人としても続くキャリア採用者のロールモデルになれるような存在を志します。
「前述の通り、さまざまな専門性を持つ方々の架け橋となれるような存在をめざしたいですね。あとは、どちらかというとなんでも自分でやってしまう性分なので、後進の人にもうまく仕事をお願いできる先輩になりたいです。
資格取得などにも力を入れ、『こんなキャリアが描けるよ』とこれから入ってくる人に伝えられるような存在になっていきたいと思います」
成長推進室で活躍できる人材について、宮﨑は明確な考えを持っています。
「まずは、自律的に考えて動ける人が望ましいと思います。新規事業を立ち上げる部署なので、決まったプロセスや仕事の仕方はあまりありません。そのため、単に言われたことをこなすだけでなく、自身が必要と思うことを先んじて準備しておくなど、より効率的な仕事の進め方を意識できるよう、私も心がけています。
もう1つ大切なのは、臆することなくメンバーやお客さまに対し、発言・発信ができること。前述の通り、メンバーは皆意見を素直に受け止めてくれる人ばかりなので、まずは発信してみる姿勢が大切です。これまでデータセンターの業務に携わった経験がない方でも、これらのマインドがあれば活躍できる場所だと思います。」