次世代の電力課題に立ち向かう。成長推進室で作る世界規模のエネルギーソリューション
※記載内容は2025年12月時点のものです
社会のダイナミックな変化を捉え、既存事業では取り組みにくい新しい領域の開拓に挑む成長推進室。2024年7月にキャリア入社した田辺 瑛美は2つのプロジェクトのリーダーとして、すでに活躍を見せています。「世界中の人に当社の製品を届けたい」と語る田辺が、転職のきっかけや成長推進室で働く喜びを語ります。
未来の電力課題に挑むリーダー。三菱重工で描くデータセンターと港湾の新しいカタチ
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)の成長推進室 データセンター&エネルギーマネジメント部で活躍する田辺。新規事業の開発に取り組む同部署で、デジタル時代の新たな課題解決に挑んでいます。
「当部署では、名前の通りデータセンター向けのソリューションおよび電源関係のマネジメントを中心に新規事業開発を行っています。社内外の既存技術や製品を取り入れ、当社が最適な形で組み合わせることで、会社の新たな事業の軸を作っていく事業部です」
現在、田辺は2つのプロジェクトのリーダーを務めています。1つは、データセンター向けの電力ソリューションの開発です。
「ChatGPTなどのAIがどんどん普及していく中で、データセンターでのエネルギーの使い方が大きく変わってくると考えています。今まではデータ保管がメインでしたが、今後はAI向けに使用されることで電力の使い方が不安定になり、予測も難しくなっていきます。
そのようなエネルギープロファイルに対応できるワンストップのソリューションを既存の製品や他社との協力を交えながら考えているところです」
もう1つは、港湾電化プロジェクトです。世界的な脱炭素化の流れを受け、港湾設備の電化に対するソリューションを検討しています。
「今、港湾で働く車やコンテナを運ぶクレーン、停泊している船も、どんどんディーゼルの代わりに電気が使われるようになってきています。大量に電気が必要になるのですが、電力系統から港に来ている電線1本あたりで運べる電気の量には限りがあるんです。
そこで港湾の中での発電や充電設備の整備など、脱炭素化を促進するためのソリューションを提案しています」
入社早々リーダーとして活躍する田辺が心がけていることを語ります。
「トラブルやアクシデントがあった際は1人で抱え込まずに速やかに上司に報告し、協力して解決することを心がけていますね。
また海外メンバーを交えたグローバルなチーム運営においては、コミュニケーションの工夫も欠かせません。週1回の打ち合わせだけでは不十分な部分は社内SNSを活用し、こまめなフォローアップを心がけています」
電気の届かない場所をなくしたい。途上国も見据えた誰も取り残さない電力の未来
学生時代は環境問題に関心を持ち、大学院まで進んだ田辺。社会的な課題を自分ごとのように捉え、奮闘してきました。
「進路に悩んでいる際、ツバルという世界で一番海抜の低い島国が、地球温暖化による海面上昇で消失してしまう可能性があると知って高校生ながらに衝撃を受け、環境工学の世界に飛び込みました。地球規模の事象のため、簡単に結論の出ない難しいテーマですが、学生生活をかけて深く学ぶことができました」
来たる就職活動では、進むべき進路に迷ったと言います。
「学生時代は『働くイメージ』が湧かなくて、どんな道に進むべきか迷いました。ただ、漠然とスーツケースを引きながら空港を闊歩しているビジネスマンに憧れがあったので、『世界を股にかけて仕事がしたい』と思い、大手電機メーカーへの就職を決めました。
入社から10年ほどは、海外の火力発電所向けの装置を作っていました。環境問題を専門に学んできた私が、CO₂を多く排出する火力発電に関わることに初めは疑問を持ちました。しかし、父から受け取った本をきっかけに視点を切り替えて『電気が足りない地域に電気を届けることで、人々から解放できる仕事があり、ひいては人々の生活を豊かにできる仕事なんだ』と思い、業務に邁進していましたね。
その後、新規事業開拓や国内の電力市場にも関わるITソリューション事業に従事。「そろそろ再び海外向けの仕事がしたい」と思っていた矢先に、大きく2つの選択肢が舞い込みます。
「社内でグローバル向けの新しい部署が立ち上がり、そちらに異動が決まった頃、たまたま転職サイトを通じて三菱重工から『カジュアル面談をしませんか?』と声をかけてもらったんです。気軽な気持ちで行ってみたら、自分の経験を海外で活かせそうな事業内容だったので、話の流れから面接に進むことになりました。
当時の会社に残っても、三菱重工へ行っても、海外向けの仕事はできる状況だったので、どうすべきかかなり悩みました。しかし、三菱重工の最終面接で部長からかけられた言葉が決め手となり、当社への転職を決めたんです」
田辺の進路を決定づけた部長のひと言とは。
「面接の際、部長は電力の未来について、『脱炭素に向けて、電力の世界は多額の費用がかかる水素発電所を活用する先進国と、そうでない開発途上国とに二極化するかもしれない』という私の意見に同意した上で、『でも、水素発電所が買えない国にも電力を届けることはわれわれのミッションだと考えています』と言いました。
そのひと言がかっこいいと思いましたし、まさに私が火力発電に携わっていた時に考えていた『世界中の足りないところに電気を届ける仕事』に一致すると思ったんです」
140年の歴史とベンチャーマインドが融合する。成長推進室で実現する新時代の働き方
三菱重工に入社して5カ月。10年来当社と仕事をしてきた経験もあり、転職後も田辺は環境の違いをほとんど感じていないと言います。
「雰囲気としては前職とよく似ており、同じ会社で部署異動したような感覚です。ただ配属された成長推進室については、2つの点で驚きがありました。
1つは非常に優秀な人材が多いこと。合理的な意思決定が速く、物事・状況の理解力が高い人が多いので、たとえば会議をするにしても議題をうやむやにせず、毎回必ず結論を出して次のアクションや期限を決めるなど、無駄のない効率的な働き方ができるところが印象的です。
もう1つは仕事のスピード感。通常の三菱重工の仕事のペースは理解していたつもりでしたが、成長推進室の業務遂行速度は驚異的です。他部署から異動してきたメンバーも『まるで新幹線みたいな速さだ』と驚いていましたし、私にとってはもはやジェット機のような速さで進めている感覚です」
この成長推進室のスピード感は、実際の業務でも如実に表れています。
「今取り組んでいる港湾電化プロジェクトについては、入社後すぐにヨーロッパのパートナー企業との協議を開始し、1カ月足らずでお客さまへのソリューション提案に進みました。実際にはヨーロッパの夏季休暇の影響で少し足踏みすることとなったのですが、入社から数カ月後には現地へ足を運び、顧客ヒアリングまで実施できました。
私の中で『お客さまに提案する前には社内でたくさんのステップを踏み、時間がかかるものだ』という固定観念があったのですが、それがよい意味で覆されましたね」
一方で、成長推進室の魅力はスピードだけではないと語ります。
「成長推進室の特長はベンチャー企業のようなスピード感がありながら、三菱重工の140年の歴史が誇る蓄積された経験と製品群を持っている点です。三菱重工には、これまで生み出してきたたくさんの製品や大規模プロジェクトで活躍してきた多くのベテランメンバー、そして蓄積された数多くの知見があります。
このように三菱重工が積み重ねてきたものをフルに活用しながらスピーディーに新規事業開拓していくことは、他ではなかなか真似のできないことだと思います」
世界中のお客さまに価値を届ける──三菱重工でかなえる新たなビジョンとチャレンジ
転職後も業務環境に大きな差を感じなかったと語る田辺に、あえて違いを感じた部分について聞きました。
「働きやすさの観点では、前職よりよくなったように思います。たとえば、前職では長時間の残業をすることも少なくありませんでした。しかし当社は残業に対して厳しい管理体制が敷かれているので、働き方を考え直すよい機会になりましたね。加えて私の所属するチームでは在宅勤務も臨機応変に活用しているので、柔軟な働き方ができる環境が整っています。
また、入社前は『三菱重工=日本の伝統的企業』というイメージが強く、漠然と『キャリア採用者はキャリアアップが難しいだろうな』と覚悟していました。しかし、実際入社してみると、すでに課長や部長などの役職についているキャリア採用者もいますし、入社当初から温かく迎えてもらえたので、イメージが大きく変わりました。
現在、私のチームには6人中、キャリア採用者が3人、外国人が2人いますが、どんなバックグラウンドを持つ方もそれぞれのポテンシャルを活かして働けていると感じます。社員全員が協働して働いていくことへの意識も高く、お互いを気遣い合いながら働けるところも魅力の1つです」
文字通り世界を股にかけて働く田辺が、組織としてめざす方向性、描くビジョンを語ります。
「成長推進室はまだまだ新しい組織。お互いを尊重し合いながら働ける今の雰囲気を大切にしながら、より良いチームに育てていきたいですね。たとえば、前述の通り私のチームには外国人のメンバーもおり、中には日本語が得意でないメンバーもいるんです。そういった方にとって働きづらい環境にならないよう、私自身気を配っていきたいと考えています。
今後のビジョンとしては、引き続きグローバルな仕事をしていきたいですね。海外向けのお仕事となると、まずは先進国の多い欧米に目を向けて事業を展開することがほとんど。彼らが世界に先駆けて新しいソリューションを取り入れていくことは事実なので、まずは彼らに注目していただけるようなよいソリューションを作っていきたいです。
一方で、私がめざすのは世界中に当社の製品を届けていくということ。最終面接で部長が言っていたように、私たちの製品が開発途上国の方にも役立つものになるよう、これからも取り組んでいきたいです」