タイトな納期を「チーム力」で乗り切る。関係者全員で分かち合う達成の喜び
※記載内容は2025年6月時点のものです
航空機の整備士を経験後、三菱重工に入社した家田 貴将。航空・宇宙事業に携わりたいという思いで入社し三菱重工の魅力に惹かれて、現在に至るまでにさまざまな分野で活躍しています。「現在の仕事に誇りを持っている」と述べる家田が三菱重工で働き続ける理由や業務のやりがいを語ります。
数百人を束ねる「司令塔」。大規模防衛プロジェクトを支える生産統制の現場
航空機・飛昇体事業部飛昇体製造部工務課飛昇体プロジェクトチームは、30人弱のメンバーで構成される組織です。十数種類の製品を手分けして担当し、各プロジェクトは協力会社も含めると数百人規模で進められています。
「私が担当している弾道ミサイル防衛用のSM-3という製品は、アメリカの取引先がお客さまとなります。部品の製造から組み立て、納品まで長い時間を要するプロジェクトです」
家田は2023年10月から現在の部署で、プロジェクトの生産計画と生産統制という2つの重要な業務を担当しています。
「生産計画では、お客さまとの契約前の見積業務から始まり、契約後は社内の製造開始に向けた生産手配を行います。具体的には、ミサイルを作るための材料や部品の手配、製造ドキュメントの発行、スケジュール作成、予算配布などを行います。限られた人員と設備を最大限に活用し、お客さまのニーズに応えられる生産計画を立案することを大切にしています。
一方、生産統制では計画通りにものを作っていくための司令塔として日々奔走しています。製造状況をモニタリングしながら、さまざまなトラブルに対応。あらゆるリスクを想定しながらも、予期せぬ事態が発生することもあります。
このような状況に対応するため、週に2、3回ほど関係部門を集めて定例ミーティングを実施。問題点の抽出や対策の検討を行いながら、プロジェクトを前に進めています」
たくさんのステークホルダーと関わる業務のため、人と人とのつながりを大切に仕事に向き合っていると語ります。
「私1人の力ではこんな大きなプロジェクトを進めていくことはできません。関係する皆さんの力を得ながら何とか進めている状況なので、メール1本送る際も受け取る相手のことを考えて作成し、何かをお願いして実現できた際には必ず『ありがとうございます』という感謝の気持ちを伝えるようにしています」
幼少期の「空への憧れ」が導いたキャリア。整備士から製造業へ、夢を追い続けた軌跡
幼少期から飛行機への強い興味を持っていた家田。両親と旅行で飛行機に乗る機会が多く、その体験が将来の夢を形作っていきます。
「両親が旅行に連れて行ってくれる家庭で育ち、飛行機に乗る機会も多くありました。空港特有の雰囲気や機内の音、飛んでいく時の心臓の高鳴りなど、何とも言えない感動を覚え、ぜひとも飛行機の仕事に携わりたいと思うようになり、航空専門学校へ進学。ファーストキャリアでは航空会社へ入社し、整備士として働きました。
飛行機の整備士には2種類あります。格納庫で定期的に分解整備を行う整備士と、運行整備を行う整備士です。私は運行整備を担当しており、お客さまが乗る飛行機の到着から次の出発までの1〜2時間の間に必要な整備を行う業務を4年半ほど経験しました」
そんな中、家田は三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)が航空・宇宙事業を拡大するというニュースを耳にします。
「航空・宇宙事業のプロジェクトに関わりたいという思いから、三菱重工への転職を決意しました。入社してみると、航空会社と製造会社では業務内容に違いはありましたが、安全な製品を作り、最終的なユーザーに届けるという基本的な考え方は共通していると感じました」
2010年に三菱重工へ入社後は、航空機の生産技術部門で活躍。飛行試験に伴う機体改修や試験法案の立案にも関わりました。その後、自身にとってはまったくの新天地も経験します。
「火力発電部門に配属され、ガスタービンのアフターサービス業務を担当することに。お客さまの火力発電所で使用されたガスタービンの分解点検時に、各部品の修理必要性を診断する役割を担いました。
正直初めは全く異なる製品の分野で戸惑いがありましたが、やっていくうちにお客さまから必要とされる仕事であることがわかり、徐々に愛着が湧いてきました。
また、一緒に働いた高砂製作所の同僚たちも本当にいい人ばかりで。入社当初は考えてもみなかった領域でしたが、人に恵まれたことで『これからも三菱重工で頑張ろう』と思えました」
タイトな納期を乗り越えるチームメイトとの絆。関係者全員で共にする達成の喜び
火力発電部門での経験を経て、2023年に現在の航空機・飛昇体事業部に異動した家田。当部署でとくに印象深かったことについて語ります。
「製造スケジュールがお客さまの納期に対して非常にタイトなことが多いんです。そんな中、トラブルが発生して間に合わない可能性が生じた時があり、関係部門の皆さんに緊急対応をお願いすることに。
皆さんに無理なお願いをすることになり、正直、難しいかもしれないと思っていましたが、作業に充てる時間を増やしてもらうことでその週に予定していた作業がすべて計画通りに終わり、翌週からはスケジュール通りに進められ、無事にお客さまの納期にも間に合わせることができました。この時は本当に皆さんの協力的な姿に感動しましたし、感謝の気持ちでいっぱいでした」
このような緊急時の対応には、日頃からの関係づくりが重要になります。家田は、関係者との信頼関係を築くためにとくに心がけていることがあります。
「一方的にお願いするのではなく、スケジュールや納期を守らなければならない理由をご説明した上で、皆さんのプライベートの予定も考慮しながらお願いをしています。信頼関係を築くためにもこういった相談は必ず顔を合わせて行うようにしており、表情を見ながらお願いできるかどうか確認しています」
スケジュール通り物事が進まない時もありますが、トラブルを解決できたときこそやりがいもひとしおです。
「タイトなスケジュールである分、予定通り出荷できることは当たり前ではありません。トラブルがあった時にそれをうまく対処し、お客さまにも迷惑をかけず、予定通り出荷できた時は厳しいハードルを乗り越えられたやりがいや達成感が感じられます。
その喜びを関係者の皆さんと共有できることもうれしいです。日々の定例会議で製品試験の成功を報告すると、関係者の皆さんから『ありがとう、よくやってくれました』という言葉をもらえます。そういう時には私自身も非常にうれしいですし、関係する皆さんへの感謝の気持ちが湧いてきます」
周囲のメンバーもプロジェクトを前に進めようという思いに溢れていると言います。
「上司をはじめ、現場作業をしてくださっている皆さん、品質部門、設計部門など、すべての関係者が一生懸命にプロジェクトを前に進めようという強い気持ちを持っています。その思いに応えたいという気持ちで、私も取り組んでいます」
「誇りを持って語れる仕事」がモチベーション。家族・友人に自慢できる製造業の魅力
三菱重工で働く魅力について、家田は大きなスケール感を持つ事業展開を挙げます。
「当社はミサイルだけでなく、ロケットや飛行機、船舶など、世の中で活躍する大きな製品を幅広く手がけています。他社ではなかなか経験できないスケールの大きな仕事ができることが大きな魅力です。
一方でそのスケールの大きさから、社外の方には硬いイメージを持たれがちなのですが、社内の雰囲気は意外とフランクで、役職に関係なく社員同士が気軽に話せる環境です。社員の『人のよさ』も当社の大きな魅力の1つだと思います。
また働き方についても制度が整っており、忙しい中でもプライベートを充実させることが可能です。休暇取得に関しても上司が快く認めてくれますし、在宅勤務制度も個人の事情に応じて活用できる仕組みが整っています。私自身も家庭の都合で必要な際には利用しています」
現在の部署に異動して1年半。これからの展望について、家田は新しいプロジェクトへの期待を語ります。
「まずは今の部署に来てまだ日が浅いので、引き続きこの業務を継続していきながら経験を積んでいきたいです。加えて、新しく始まるミサイルの開発プロジェクトを任されています。
以前、航空機のプロジェクトで経験した初飛行成功時の感動のような体験を、ミサイル開発でも味わえることを期待しています」
三菱重工で活躍できる人材像について、家田は技術やスキル以上に大切なものがあると指摘します。
「技術やスキル、専門知識はもちろん重要ですが、それ以上に仕事に対する情熱を持てることが大切です。単に仕事として割り切るのではなく、自分の担当する仕事に愛着を持ち、最後まで責任を持ってやり遂げる気持ちを持った人材が求められます」
そして最後に、自身のモチベーションの源泉について語ります。
「私自身は一緒に働く仲間を大切にする気持ちと、家族や友人に対して誇りを持って自分の仕事を語れることをモチベーションにしています。そういった情熱を持った人材が増えることで、会社全体が活性化し、周囲の人々にもよい影響を与えることができると考えています」