経理から海外営業へ。越境する経験が、キャリアを拓く
※記載内容は2025年6月時点のものです
2021年に三菱重工環境・化学エンジニアリングに新卒入社した中川 海音。アジア・オセアニア地域での営業活動と子会社の事業管理の2軸で活躍しています。最初の配属は予想外にも経理職だったと語る中川が、現在に至るまでのキャリアと仕事のやりがいを語ります。
事業と社会貢献。“誠実さ”を軸に日々の業務に向き合っていく
シンガポールの現地法人であるMitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.(以下、MHI-AP)に出向している中川。現在は、アジアパシフィックやオセアニア地域での廃棄物処理発電事業の営業活動と、廃棄物処理プラントを運営する現地子会社の事業管理という2つの業務を担当しています。
「私が所属する廃棄物処理発電事業には、日本人メンバーが3人在籍しています。コミュニケーションは日本人同士の会話以外は基本的にすべて英語です。
グローバルな環境でさまざまな国籍のスタッフと働いているため、日本特有の『空気を読む』といったコミュニケーションに依存しているだけでは、業務が進まないこともあります。文化的背景を加味しながら一人ひとりに向き合い、仕事をするよう心がけています」
こうした環境だからこそ、学びや刺激も多いのだと語ります。
「営業では、技術系のスタッフなど多様なメンバーと共に、チームで1つの目標に向かって働けることが楽しいです。また、事業管理業務に関しても、日本とは異なる基準や方法で進めていく必要があり、新しいことを習得できるところにやりがいを感じています」
現在は、営業活動を担当するのに加えてプラント見学の受け入れも行っています。
「年間約80組、1,200人程度の見学者にプラントや事業についてのプレゼンテーションを実施しています。見学者は、主に東南アジアの地方政府や環境関係の省庁関係者。それに加えて電力会社や廃棄物関連事業の企業、大学生や高校生など教育機関からの訪問も多くあります」
とくに一般の見学者に対しては、啓蒙活動の一環として丁寧な説明を心がけています。
「シンガポールでは、日本のように小学生の社会科見学で廃棄物処理プラントを訪問するといった機会がないので、ごみの分別方法やその大切さを伝えたり、ごみがどのように処理され最終的にどうなるのかを説明したりしています。
このような仕事をする上で私がとくに大切にしていることは誠実であることです。社会的な意義と事業としての側面の両方を意識しながら日々の業務に取り組んでいます」
若手ながら裁量のある環境。任されることで成長していく
学生時代は法学部で政治学を専攻。憲法学のゼミに所属し、環境権について研究を進める中で環境問題や公衆衛生に関心を持つようになります。
「就職活動では環境系の企業、とくにごみ焼却施設を手がけるプラントメーカーを中心に検討を進めました。その中で三菱重工環境・化学エンジニアリング(以下、MHIEC)と出会い、面接や内定者イベントでの社員の方々の対応を通して社風にも惹かれ、入社を決めました」
MHIEC入社後は、企画経理部へ配属。基礎的な経理の勉強から始めます。
「もともと営業職を志望していたため、意外な配属でした。当初は仕事内容もイメージができていない状態だったのですが、OJTで指導員や上司から丁寧に基礎を叩き込んでいただいたのと、三菱重工グループの研修や社外の講習などの充実した研修制度を活用し、学んで行きました。実際に働いてみると会計の世界は理論的でわかりやすく、個人的には合っていたと感じています」
会社経営の基盤となる数字の重要性をするとともに、裁量を任され、大きな成長実感を得られたと話します。
「MHIECは中規模な会社であることから、若手社員にも幅広い業務の機会が与えられます。大企業では分業化が進んでいる中、入社して3〜4年くらいでは経験できないような業務も担当させていただきました。
経営陣への財務状況の説明や、会計監査・税務調査対応にも携わり、決算関連の業務も一通り経験したため、会社の仕組みや事業の状況を深く理解できるようになりました」
他にも、財務計画に関する業務やプロジェクト支援業務を経験した中川。台湾などの海外プロジェクトにおいて、契約形態の検討や税務面での確認など経理的な観点からのサポートも行いました。
「経理部門でありながら、実際の案件に携わり、営業部門と近い立場で仕事ができるおもしろさがありました。現場から遠い存在ではなく、プロジェクトチームとして協働する機会が多く、それも仕事の楽しさの1つでした。振り返ってみると、最初にこの仕事を経験できて良かったと思っています」
言葉の壁を越え、ともに成功を喜び合う。出向したからこそ得られた経験
2024年7月、中川は海外営業部への異動と同時にMHI-APへ出向することになります。
「ずっと営業に挑戦してみたいと思っていたので、その希望が叶ったという気持ちでした。ただ、語学については未経験だったので、勉強をしながら赴任に向けて準備を進めていきました」
出向後、最初に任されたのは現地子会社の事業管理業務でした。
「これまでの経理経験を生かして、子会社の会計監査対応をすることから始めました。また、会計規則や人事規則の制定・アップデートなど、まずは管理業務に注力しました。それらの業務が落ち着いてから、展示会への参加、取引先との打ち合わせによる情報収集や見学者対応など、営業や広報関連の仕事も担当するようになりました。
最大の課題は、やはり言語の壁。新たに経験する業務を、英語で学ばなければならないという二重の苦労がありました。現地の日本人メンバーが丁寧なサポートをしてくれたため、わからないことはその都度質問して一つひとつ解決していきました。また、ナショナルスタッフとの雑談を積極的に行うことで、だんだんとコミュニケーションが取れるようになっていきました」
出向してから最も印象に残っているのは、現地子会社が運営する廃棄物処理プラントの性能試験だと言います。
「この性能試験は毎年実施され、結果が次年度の収入に大きく影響する重要なイベントです。性能試験で定格処理を達成できないと、次年度では、前年度と同じ収入を得るためにはより高い稼働率を維持しなければならず、運営上の負担が大きくなってしまうのです。
性能試験の実施日が近づくにつれ、チーム全体に緊張感が増していき、重い空気が流れるほどの状況だったのですが、皆が一丸となって準備・対策を進めたことで、無事に目標を達成することができました。
この出来事は、部署を超えた一体感を生み出しました。直接関わっていない職種の方々も含めて、施設にとって一大イベントとして全員が結果を気にかけていたんです。無事に目標に達した瞬間にみんなで喜び、盛り上がったことはとても印象的でした。この空気感は、現地にいるからこそ体感できたものだと思います」
社会に価値を届けたい。営業の最前線で日本と現地をつなぐ存在をめざして
海外赴任を経験し、より広い視野で仕事を見つめる中川。MHIECで働く魅力について語ります。
「まず、社会貢献を実感できる点が大きな魅力です。たとえば、シンガポールでは、われわれが納入した廃棄物処理プラントが、現在稼働しているものだけで3つあります。この3つのプラントで、シンガポールで1日に発生する焼却対象ごみの90%以上を処理することができきます。廃棄物処理は、人々の快適な生活に不可欠であり、その一翼を担う仕事ができていることにやりがいを感じています。
その他にも、見学者対応で現地の学生を受け入れた際、処理方法やリサイクルについての知識を伝えることで『知らなかった』、『ゴミを捨てることに対する意識が変わった』といった反応をいただくことがあります。
リサイクルや分別の文化が根付いていないシンガポールで暮らしていると、日本の方が環境に対する意識は高いと感じます。だからこそ、文化や政策の異なる現地で環境意識の向上に貢献できることにもやりがいを感じています」
また、さまざまな仕事にチャレンジできる環境も魅力だと続けます。
「経理から始まり、海外営業、事業管理と幅広い業務を経験できています。年齢に関係なく仕事を任せてもらえるので、早い段階から成長できる環境です。
ただし、MHIECの事業は個人プレーでは成り立ちません。チームワークを大切にしながら、個人としても新しいことに挑戦し、成長したいという意欲のある人にとって、おすすめの職場だと思います」
今後の展望について、中川は営業としてのキャリアを深めていく意向を示します。
「営業の仕事に、より比重を置いていきたいと考えています。さまざまなことを学びながらスキルを磨き、最前線から日本側のプロジェクトチームを引っ張っていけるような存在になることが当面の目標です。
また、将来的に日本に戻った際も、現地での経験を活かして現地と日本をつなぐ役割を担っていきたいと思います」
MHIECの事業を通して、社会に価値を届けながら自身も成長する。環境課題に正面から向き合って誠実に行動し続ける中川の挑戦はこれからも続きます。