飛昇体品質保証の「最後の砦」──家族のような温かさで支える三菱重工のチーム力
※記載内容は2025年8月時点のものです
飛昇体(ミサイル)の品質保証を一手に担う品質保証部の飛昇体プロジェクト品質保証課は、2つの課が統合して2025年に新設されました。スタンドオフチームで主任を務める二之宮 純平と近藤 真人はベテランから若手までさまざまなメンバーを率い、業務にあたっています。明るく家族的な雰囲気だと語る2人に、品質保証業務の魅力を聞きました。
飛昇体の品質を守る「交通整理役」。多部門をつなぐ品質保証のプロフェッショナル
まず、現在所属されている部署の概要とミッションについて教えてください。
二之宮:私たちが所属する航空機・飛昇体事業部 品質保証部 飛昇体プロジェクト品質保証課スタンドオフチームは、従来の品質保証部の各セクションが統合され、今年度から新たに新設された部署です。チームのミッションは飛昇体に関わる品質保証をすべて担うこと。
具体的には契約前の調整から始まって、仕様開発プロセスの保証、製品の品質保証、組み込まれるプログラムの保証、信頼性評価、そして顧客への納入後のアフターサービスまで、飛昇体の品質保証を一元的に行っています。
品質保証とは、主にお客さまが求める仕様と製品が合致しているかを客観的に証明する業務です。できあがった製品の仕様がお客さまのニーズと一致していることを担保し、証明する役割を担っています。
品質保証部の仕事の大きな特徴は、ステークホルダーが多いことです。社内では営業・調達部門・技術部門・製造部門などと連携し、社外ではお客さまである防衛省のみならず、協力会社やメーカーとも関わっています。情報を整理し、周囲の交通整理を行うことも重要な業務の1つです。
それぞれの現在の業務内容について教えてください。
近藤:私たちスタンドオフチームは国の防衛装備計画にある2つの長射程の飛昇体を担当しており私と二之宮は主任(リーダー)という立場でそれぞれの飛昇体の品質保証業務を担当しています。
具体的には契約から設計・製造・試験・納入までの全プロセスに関する品質保証を担当。とくに現在は開発フェーズですので、設計レビュー、開発試験の対応、試作品の製造管理に重点的にプレイングマネージャとして頑張っています。
業務を行う上で大切にしていることや心がけていることを教えてください。
近藤:もっとも大切にしているのはお客さま第一の姿勢です。防衛省の方が工場に常駐しているため、速やかに報告・連絡・相談をするなどお客さまの期待を裏切らず、信頼される存在になることを常に心がけています。
また関係部門が多いため、プロジェクト全体がうまく回るよう品質・コスト・納期のバランスを考慮しながら最適な判断を行うことを重視しています。
二之宮:品質保証部門はほぼすべての部門と関わるという側面から、常に全体最適になるような行動を心がけています。困っている部門を助けたり、他部門の橋渡しになったり、時には意見がぶつかる部門同士の間に入るなど、部門横断的にコミュニケーションをとっていくことが大切です。
支え合う姿はまるで家族。2人の主任が語る飛昇体好調の追い風を活かすチーム運営
現在のチーム構成について教えてください。
近藤:主任である私たち2人の配下に合わせて30人ほどのメンバーがいます。チームメンバーはスタンドオフミサイルの需要が高まっているということもあり、増加傾向にあることが特徴。長年飛昇体の品質保証に携わってきたベテランメンバーから、新卒などの若手社員、派遣社員まで幅広いバックグラウンドの人がおり、私たち主任やベテラン社員が中心となって教育にも力を入れているところです。
統合したばかりのチームで、今後どのような方向性をめざしていますか。
二之宮:飛昇体プロジェクト品質保証課として、飛昇体の品質を一元管理して保証できるような課をめざしています。現在は発足してまもなく、統合前の部署でそれぞれが今までやっていた業務をこなしていますが、最終的には今までやっていなかった業務もできるようになり、全員が飛昇体の品質保証に必要な力量を持っているチームにしたいと考えています。
近藤:個人的には今年度から主任になり、さらに2つの課が統合されたため、チームとして成果を最大化する方法を探っている状況です。昨日もベテランメンバーを集めて「どうしたらもっとチームの成果を最大化できるか」を話し合い、多様な意見を吸い上げるなどして、改善できるよう取り組んでいます。
チームの雰囲気やお互いの尊敬できるところについて教えてください。
二之宮:「防衛分野の品質保証部」というとお硬いイメージを持たれやすいのですが、実際は非常に温かい雰囲気なんです。ベテランメンバーが若手メンバーの面倒を見てくれる文化が根付いており、若手メンバーも自由な発想でベテランメンバーへ意見を言うことができるので、家族みたいだなと思っています。
中でも近藤は非常に面倒見がよく、メンバーをよく気遣っている姿が印象的です。またコミュニケーション能力が非常に高く、誰にでも話しかけられやすくて誰にでも話しかけるところも素晴らしいと思います。
近藤:私も二之宮と同じ意見ですね。若手メンバーがベテランメンバーに相談しながら仕事を進めているのでコミュニケーションが活発ですし、時には雑談も交えながら明るく働いてくれている印象です。
二之宮は私にとって先輩にあたるのですが、以前から2人で飲みにいくくらい親しくしてもらっています。また、製品や品質保証に対する知識が豊富で、私自身はもちろん周囲からも頼られていると感じています。
みんなで作り上げた飛昇体が空へ。品質保証部だから立ち会える製品の最終段階
これまでのお仕事でとくに印象に残っている出来事を教えてください。
近藤:発射試験の対応をしたことがもっとも印象に残っています。発射試験とは製品の品質を担保できているか確認する最後のフェーズです。みんなで作り上げた飛昇体を現地で組み立て、実際に発射する最後のフェーズに携われるのは品質保証部の魅力でもあります。
発射試験にはお客さまも同席されるので、お客さまへの説明にも対応します。試験が成功すると共に頑張ったメンバーと握手したり、お客さんと拍手でたたえ合ったりできてすごく達成感があります。
二之宮:発射試験は本当に印象的ですよね。みんなが手塩にかけて作った製品が求められている機能を満たして発射されるところを観られると感慨深くなります。一方で、品質保証には「最後の砦」として品質に疑義が生じた場合は製造中の製品をストップさせなければいけないこともあります。みんなが決められた期日までに製品を完成させるという共通目標に向かって一生懸命やっている時に「一度立ち止まって、やり直しましょう」と言わなければならないので、初めはみんなに申し訳ないと思うこともありました。
しかし、経験を積んでいくうちに各部門のメンバーがどんなことを考えているかわかってきて、「これはダメだけど、こうしたらできる」と代案が示せるようになり、周囲の人たちも「二之宮が言うなら仕方ない」と受け入れてくれるようになってきたと感じます。
品質保証業務の魅力ややりがいについて教えてください。
二之宮:たくさんありますが、ここでは2つ伝えたいと思います。1つは責任を持った仕事ができることです。最終的にお客さまに納める時に「これは大丈夫です」と太鼓判を押す仕事なので、大きなやりがいを得られます。
もう1つは、前述の通り本当にたくさんのステークホルダーと関われることです。お客さまや協力会社だけでなく、社内のほぼすべての部門のメンバーと業務として関われるので、視野が広がり、考え方も柔軟になると感じます。
近藤:品質保証部は車で例えるとエンジンオイルのような潤滑油の役割も持っていると思っています。そのため、潤滑油としてうまく機能し、プロジェクトをうまく回すことができるとやりがいにつながります。そのためにはコミュニケーション能力や日々の信頼関係が大切です。
また多くの部門と関わる分、それぞれのプロジェクトでどこに力を入れるかを決められるところも魅力。もちろん1人の一存で決められるわけではないので、方針を決める際にはデータや資料の提示が必要ですが、そこでうまく提案ができれば自身の思うようにリソース配分できるところが魅力だと思います。
向上心と前向きな気持ちが成功の鍵。品質保証部で活躍できる人材の条件とは
三菱重工で働く魅力について教えてください。
近藤:当社は防衛分野では日本でトップクラスの技術を持っているという自負もあり、最先端の技術を実務で扱えることが大きな魅力です。さらに原子力・交通インフラなどさまざまな事業があるため、時に別分野の品質保証をやっているメンバーと交流すると、製品はまったく違っても悩む部分や考えることが同じだと気づけることがおもしろいです。
働き方の観点では、福利厚生が非常に充実しています。家賃補助や産休・育休制度など生活に必要な制度がそろっていると感じます。
二之宮:私も近藤の意見とほぼ同じです。入社前は三菱重工といえば大きい会社で、とくに防衛分野は硬い職場だと思っていましたが、実際は風通しが非常によく、居心地がいいです。
防衛は秘匿性の高い業務ですが、世間の波に順応して在宅勤務制度やフレックス制度でワークライフバランスが取れる勤務体系になっており、働き方も自由になってきています。
今後のチームビジョンと個人のビジョンを教えてください。
二之宮:チームとしては、それぞれの得意分野を伸ばしながらこれまでやってこなかった業務にも挑戦し、総合力の高いチームを築いていきたいです。私自身も管理業務や今までやってこなかった範囲の品質保証業務を勉強している最中。長期的に知識を身につけ、まずは全体を俯瞰して見られる立ち位置になりたいと思います。
近藤:多様なメンバーに仕事でのそれぞれの成功体験を味わってもらい、「このチームで働いてよかった」と感じてもらえるようにしたいです。また個人的には主任になったばかりでまだ手一杯な部分もありますが、周囲から頼られる存在になれるよう、知識を身につけ、信頼関係を築いていきたいです。
品質保証部で活躍できる人材について教えてください。
近藤:品質保証部のメンバーはさまざまなバックグラウンドを持っています。何を学んできたかはそこまで重要ではなく、向上心を持って前向きな気持ちを持って働ける人が活躍できる職場です。防衛や品質保証部に関する知識がなくても、「よりよくしたい」という熱い気持ちがあれば、誰でも成長できる場があると感じます。
二之宮:品質保証部は多くの人と関わるので、コミュニケーションが得意で、いろんな意見を聞いたり、自分の意見を伝えたりできる人に向いていると思います。また、幅広い知識が求められるため、好奇心も大切です。「なんでこうなるんだろう?」と常に問いを持ちながら考えられる方と一緒に働きたいですね。