ビルの一生に愛情を持って寄り添い、街の発展とともに成長を続けていく仕事。

ビルの工事から設備管理へと業務の幅を広げ、三宅豊実は日常の気づきの大切さを実感しました。
自らの技術に磨きをかけ、多くの人に愛されるビル空間を目指しています。

ビルの一生に愛情を持って寄り添い、街の発展とともに成長を続けていく仕事。

安全で快適なビル空間は、入居テナントにとっては当たり前の日常でもあります。しかしこれは、一朝一夕でできることではありません。私たちが日々の設備管理業務やお客様のサポートを積み重ねていくことによって信頼関係を築き、実現するものだと考えています。当社も田町にあるため、お客様に偶然お会いする機会も多く、お客様の笑顔や毎日お変わりなく過ごされている様子を拝見したとき、自分たちがその当たり前の日常を作り上げているということに誇りを感じます。

私は、設備管理のほか、長期修繕計画の策定、それに基づく工事の計画や現場管理、お客様からの請負工事の設計から現場管理などを担当しています。それは当社の大きな特徴でもある「ビルオーナー」、「ビルマネジメント」、「施工業者」という3つの立場とそれぞれの役割を経験していることになります。そのため、ビルに関するさまざまなシチュエーションに精通しなければならず、そのことは、他社と共同で仕事を進めるうえでも大きなアドバンテージとなります。

私の行う請負工事の中には当社が管理していないビルのオフィスレイアウトなどを取り扱う機会も多く、同業他社の方と一緒に仕事を進める中で、人脈や知見も広がりました。このように所有者、管理業者、施工業者として広範囲な業務を同時並行で進めるため、技術者としての引き出しを増やすことができると実感しています。

専門分野へのこだわりを持ち、
先輩方が大切にしてきた技術を継承していきたい。

父親の仕事の関係で実家には設計道具があり、幼い頃は三角定規でよく遊んでいました。小学校の卒業文集に書いたのは「建築の仕事をしたい」。「建築=空間」を作ることへの興味は成長しても尽きず、建築学科がある大学で意匠系を学び、ビルの内装などに関わることができる当社に就職することができました。

当社を一言で表現するなら、「堅実」という言葉が当てはまります。物事に対して真面目な社員が多く、技術部の社員は専門分野へのこだわりを持っているので、疑問点があればお互いに納得するまで話し合うようにしています。少人数精鋭の組織ではありますが、同じチームで固まらないようなオフィス作りをすることで、営業や経理などの他部署との意見交換がしやすい環境となっています。

これまでは営業技術課で主に工事を担当していましたが、工事管理課に異動してからは、現場から上がってくる設備点検や警備の日報を確認するなど、日々の気づきが大切だと思うようになりました。まだまだ勉強すべきことは多く、最近では電気工事士の資格を取得しました。また来年度には新入社員を教育するエルダー(指導員)を務めることも決まっており、後輩を指導する立場として、先輩の方々が大切にしてきた技術を継承し、それらを共有することで、業務改革を進めていきたいと考えています。

ビルの終焉を迎える時まで愛情を持って一生を見届ける。
お客様や地域の方々に「幸せなビルだった」と思っていただけるように。

長期修繕計画を立てる際は、そのビルが何十年先にどういう姿であるかを見据えながら考えていきます。ビルの寿命は50年余りとされ、終焉を迎える時まで愛情を持って一生を見届けることが、最善な形での運営につながります。それにはお客様や関係する方々がずっとハッピーで過ごせるように、当社が適切な計画を立てていくことが必要となります。

2019年5月に、53年間の歴史に幕を閉じた第一田町ビルは、私が10年以上働いてきた全てが詰まったビルだと言っても過言ではありません。お客様にお誉めの言葉をいただいたり上司に怒られたり、屋上菜園を作って芋掘りを企画したり、さまざまな思い出が今でも甦ります。解体が始まる前には棟下式(むねおろしき)を開催し、地域の子どもたちや7歳になった長男も参加し、ビルの壁いっぱい「ありがとう」などと落書きしてもらいました。長男も私の仕事について、彼なりに理解してくれているようで、母親としてこの上なくうれしく思っています。

地域やテナント、ステークホルダーの方々に愛されるビルは、ひとつひとつが街にとって宝物です。第一田町ビルの棟下式ではお客様と思い出話に花が咲き、思わず涙がこぼれてしまいましたが、このビルに携わって本当に良かったとあらためて実感しました。お客様や地域の方々に「幸せなビルだった」と思っていただけるように、これからも技術的な提案でお応えして、皆様と深い信頼関係を築いていきたいと思っています。