絶え間なく変化する街とビジネス。ビルマネジメントの最適解を求め続ける。

幅広い専門知識が求められるビルマネジメント業務。
専門知識や経験だけではなく、さまざまな関係者との連携こそが重要であり、やりがいを生み出すと小林大地は語ります。

絶え間なく変化する街とビジネス。ビルマネジメントの最適解を求め続ける。

工事管理課では3棟のビルのマネジメントを行っていますが、私が主に担当する田町センタービルは、JR田町駅と地下鉄の三田駅に直結する位置にある地上15階・地下3階建てのビルです。入居者や利用者以外の出入りも多いため公共性が高く、地下1階から3階までの店舗の業態も多彩です。

業務は非常に多岐にわたり、維持管理や長期修繕計画管理・工事施工のほか、資格を有する法定責任者として防火防災や電気、環境衛生管理なども受け持っています。例えばグリストラップ(排水口から油脂やごみが流出するのを防ぐ装置)の管理を入居テナントに依頼したり、共用部の照明器具の入れ替え時期を計画するなど、日常的な内容も含まれます。

ビルマネジメントの大きな特徴は、入居テナント、管理会社、協力会社などの多様なステークホルダーを有することです。そのため、さまざまな立場の関係者間で調整が必要なので、普段からのコミュニケーションや信頼関係もとても重要です。お互いにWin-Winとなるような最適解を目指すためには、解決が難しい部分については数値や根拠を示して関係者にわかりやすく説明しなければなりません。誰にとっても100点満点とはいきませんが、それを目指すことは技術者にとって大きなやりがいでもあります。

幅広い世代に親しまれる田町
地域全体の発展に貢献できる存在に。

入社してから35歳まで、当社とは山手線を挟んだ向かい側の芝浦で生活していました。田町は住み良い街だ、というのが住民として10数年を過ごした立場からの実感です。オフィスや住宅、学校などさまざまな側面があり、いずれにも特化していない点が魅力だと思います。最近ではご家族連れの姿が増え「幅広い世代に親しまれる田町」という新しい価値も生まれつつあり、田町のすぐ隣でも高輪ゲートウェイ駅開業に伴う周辺の再開発が進行しています。近年続々とライバルビルが誕生する一方で、このエリアが注目されれば当社としても事業を発展させていくチャンスだと捉えています。

当社所有の第一田町ビルの建て替えも始まり、田町駅前は大きく変わろうとしています。これまで山手線を挟んで田町側と芝浦側が分断されていると言われてきましたが、建て替え完了後は、駅前にある当社ビルが街を融合させる役割を担うことができると思っています。これからのビルは、安全・快適な空間を提供することはもちろん、地域全体の発展に貢献するような新しい発想が必要だと思います。

時代の変化を楽しむ。それが不動産の仕事の醍醐味。

三菱重工のグループ会社である当社には、厳しいコンプライアンスが求められており、それはお客様からの信用に結びついています。私自身は三菱重工の総務部に2年間出向する機会があり、仕事の進め方や考え方に刺激を受けました。さらに、普段の業務では接点のなかったグループ外のビル管理会社やコンサルティング会社からもビル管理手法を学ぶことで、管理業務の幅が広がっていきました。

2018年に三菱重工の本社が丸の内に移転し、当社も本社ビルに事務所を設けました。今後はさらに三菱重工グループのプロパティ(所有資産)を管理するという重要な役割を担っていくことになり、要求される業務の幅が広がると思います。そうすれば我々技術部としては、ビルマネジメント以外にコンサルティング等の新しいビジネス領域も求められていくことになると思っています。

時代の変化に対応するのは大変かもしれませんが、私は変化があった方が面白いと感じています。街も変わっていくし、業務のやり方も変わっていく。大きな変化を楽しむことは、不動産の仕事の醍醐味でもあります。私自身、どのような変化にも対応できるように、日頃からさまざまな情報を集めることを心掛けていきたいと思っています。