活性炭フィルター性能確認試験

活性炭フィルター性能確認試験の目的

原子力発電プラントには、周辺環境に放射性物質を放出しないように換気設備があり各種フィルターが設置されています。特に人体に影響のある放射性ヨウ素を除去するためのフィルター材として活性炭が使用されます。この活性炭フィルターは、プラントの運転開始前および定期検査時にその性能を確認する必要があります。当社では、日本の全PWR型原子力発電プラントおよび一部のBWR型発電プラントで用いられる活性炭フィルターの放射性ヨウ素除去性能確認試験を行っています。

活性炭フィルター性能確認試験の目的

放射線測定装置と試験の例

放射線測定装置

放射線測定装置

活性炭フィルター性能確認試験設備と試験の例

放射性ヨウ素除去性能を長期間維持することができる活性炭の開発試験を実施しています。この成果は、現行炭として原子力発電プラントに採用されています。

活性炭フィルター性能確認試験用放射性ヨウ素の合成

放射性ヨウ素除去性能確認試験に用いる放射性ヨウ素は、当社にて放射性試薬から合成を行っています。放射性試薬は、局所排気装置や気密性が確保されたグローブボックスを使用して安全に取り扱っています。

1.放射性試薬封入缶の開封

1.放射性試薬封入缶の開封
封入缶から放射性試薬が入ったバイアル瓶を取り出します

グローブボックス

グローブボックス外観

グローブボックス外観

バイアル瓶から放射性試薬を取り出す作業は気密性が保たれたグローブボックス内で行います。
合成後のヨウ素は専用の容器に封入し、試験実施時には水蒸気との混合ガスを供試活性炭に通気させます。

2.放射性試薬の分取

2.放射性試薬の分取
バイアル瓶から放射性試薬を分取します。

3.放射性ヨウ素の合成

3.放射性ヨウ素の合成
放射性試薬(NaI)を薬品と反応させて試験用のヨウ素(I2)を合成します。