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世界初、低圧EGRシステムを函館どつく建造ばら積み貨物船に搭載 ~IMO NOx3次規制適合主機にて 実証試験~

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三菱重工舶用機械エンジン株式会社と、三菱化工機株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:髙木 紀一)は、一般財団法人日本海事協会の「業界要望による共同研究」スキームによる研究支援を受けて開発した低圧EGR(排ガス再循環)システムを、函館どつく株式会社が建造した34,000DWTばら積み貨物船(船主:敷島汽船株式会社)に試験搭載し、実証試験を実施します。IMO(国際海事機関)のNOx(窒素酸化物)3次排出規制(注)に適合することを確認した陸上運転に引き続き、海上試運転にて各種性能確認試験を実施しました。今後は実運航においても実証試験を行い、更なる検証を実施していきます。主機の過給機を出た後の排ガスを再循環する低圧EGRシステムを船舶に搭載するのは舶用低速ディーゼル機関向けとしては世界で初めての試みです。

低圧EGRシステムは主機の過給機出口の低圧排ガスの一部を分岐し(分岐位置は排エコ・ボイラ出口を推奨)、EGRスクラバーで洗浄した後に過給機入口(吸気)に戻すことにより、エンジン内部での燃焼状態を変化させてNOx生成を抑制するものです。この低圧EGRシステムは、過給機入口の高温・高圧の排ガスを利用する高圧EGRシステムに比べてイニシャルコスト、ランニングコストを共に低く抑えることができるメリットを持っています。就航後の試験実施に関しては、敷島汽船株式会社に加えて、本船を運航するNYKバルク・プロジェクト貨物輸送株式会社、並びに日本郵船株式会社の協力を得て、実運航での長期実証試験を通じてロジスティクス、オペレーション等の実運用性についても検証し、システム全体の最適化を進め、今後の商談に備えていきます。

近年、環境への関心が高まる中、三菱重工舶用機械エンジンは、舶用低速ディーゼル主機向け低圧SCRシステムを開発済みであり、今回の低圧EGRシステムと併せて、舶用低速ディーゼル機関のNOx規制適合技術として2種類の選択肢を持つことになります。

二社および関係各社は、環境分野の技術開発において引き続き積極的に取り組み、今後も国際海運全体の環境負荷低減に貢献していきます。

(注)NOx(窒素酸化物)排出規制:
IMO(国際海事機関)で合意された船舶からの海洋汚染等を防止する国際条約である海洋汚染防止条約(MARPOL条約)附属書Ⅵ〔大気汚染防止〕が2005年5月19日に発効。その後、2008年10月に開催されたMEPC58(海洋環境保護委員会)にて、改正条約の採択、2010年7月1日に発効となり、2011年1月1日以降に起工の船舶に対し現行の2次規制が適用されている。3次規制としては、2016年1月1日以降建造の新造船を対象に、大気汚染物質放出規制海域(ECA:Emission Control Area)に限定してNOxの排出量を2次規制値から約76%低減することが決定している。

低圧EGRシステム(イメージ図)
低圧EGRシステム(イメージ図)
低圧EGRシステム搭載主機(6UEC45LSE-Eco-B2)
低圧EGRシステム搭載主機(6UEC45LSE-Eco-B2)
水処理装置
水処理装置