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省エネ技術(EST:Energy Saving Technologies)の市場投入強化
海事産業の脱炭素化は転換点にあり、IMOの燃料強度規制は採択延期となり国際規制の不確実性が高まっています。代替燃料は先行事例こそあるものの量産投資や供給面の不安が残り、広範な普及には依然高いハードルが存在します。
一方で2030・2040年目標まで時間は少なく、海運業界は早急な排出削減策を求められています。
こうした環境下において三菱重工マリンマシナリは、将来を見据えた燃料強度規制や代替燃料船への製品・ビジネス開発を継続しつつも、現在海運業界がおかれている環境や市場ニーズを踏まえ、即効性が高く確実にGHG削減につながる「省エネ技術(EST:Energy Saving Technologies)」の市場投入を強化しています。
その代表例が、当社が手掛けてきたプロペラレトロフィットです。
当社はこれまで多数の船主・オペレーター向けにレトロフィット案件を実施してきており、船型や船速等の運航条件に最適化した新設計プロペラを適用することで、燃費改善・CO₂削減に大きく寄与してきました。
プロペラレトロフィット
近年では、実運航での効果を高い再現性で評価されています。
その為、当社のプロペラレトロフィット実績は年々増加し、2025年末迄に延べ約300隻受注されています。
即効性があり、投資回収期間も短いことから、非常に実用的な脱炭素ソリューションとして評価されています。またプロペラキャップや船尾ダクト(船尾流改善装置)との組み合わせ等により、幅広い船型への推進効率向上のソリューション提案が可能です。
船尾ダクト(MARF:Mitsubishi Advanced Reaction Fin)
さらに当社は、主機のディレーティング(出力抑制・最適化)に合わせて過給機の仕様・運用を最適化し、部分負荷域での燃焼・給気特性を整えることで、実運航レンジでの燃費改善と排出低減を図るEPLO(Engine Partial Load Optimization)を展開しています。
近年は低負荷域での運航が中心となる傾向が強く、EPLOはプロペラレトロフィットとの併用で相乗効果が期待できます。
当社では、従来型の主機排熱回収ソリューション提案に加え、これら複数のESTを船型・主機・運航条件に合わせて最適に組み合わせるソリューション提案を重視しており、単体での改善にとどまらず、船舶全体としてのエネルギー効率最大化を実現します。加えて、将来の燃料転換や新規規制への対応も視野に入れた中長期的な提案を行うことで、船主の長期的な資産価値維持にも貢献しています。 世界的な規制の不確実性が高まる中でも、確実にGHG削減が図れる技術は確かな価値を持ちます。
三菱重工マリンマシナリは、ESTの展開を通じ、海運業界の脱炭素化を足元から着実に後押しするとともに、今後も即効性と将来性を兼ね備えた技術開発・市場展開を進め、持続可能な海運の未来づくりに貢献していきます。