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海事産業の脱炭素化に向けた道筋 - Season 5 -

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ギリシャセミナー開催

三菱重工マリンマシナリは、2022年11月にギリシャ/アテネにて三菱重工グループ技術セミナーを開催しました。ギリシャ船社の工務責任者の集うMARTECMA (Marine Technical Managers Association)会議のタイミングを捉え、同会議参加者出席のもと、MHIグループとしての海事産業の脱炭素化に向けての全社活動やバリューチェーン横断の取組みの紹介を実施しました。セミナーの題目は以下の通りです。

(ギリシャセミナー題目)
・三菱重工グループ概要
・エネジートランジション
・三菱重工マリンマシナリと三菱造船の共同脱炭素化活動
・三菱造船のマリンソリューション
・三菱重工マリンマシナリの脱炭素化技術
・過給機の最新技術動向

同セミナーは、これまで2年ごとに開催していましたが、新型コロナの影響もあり、3年ぶりの開催となりました。前回と比べると、各社とも脱炭素化に対して、非常に高い関心を示されていたことが印象的でした。

ギリシャセミナーオープニングの様子
         セミナーの様子

セミナー後の懇親会では、海事産業の脱炭素化に向けた技術的課題について、各々の視点で歓談され大変有意義な機会となりました。
お客様のニーズを捉え、今後の脱炭素ソリューション提案に繋げていきます。
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。



長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

MMMCZCS CEO カーボンニュートラルパーク 訪問

2022年10月に MMMCZCS(注1)のBo Cerup-Simonsen CEOとClaus Winter Graugaard 部門長が来日され、三菱重工本社および三菱重工長崎の総合研究所内にあるカーボンニュートラルパークを訪問されました。
三菱重工のゼロエミッション実現に向けた取組みとして、アンモニア燃焼設備、CO2回収設備、バイオマスガス化設備を紹介しました。
舶用利用に向けた観点から闊達な質疑があり、興味を持ってご視察いただきました。

(注1) Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shippingの略。デンマークに拠点をおく、海事産業の脱炭素化促進のための調査・研究機関。MHIグループも設立パートナーとして参画中。 

   カーボンニュートラルパーク内で記念撮影

完全密閉型オイルレス冷熱ORC発電実証試験に成功

三菱重工マリンマシナリは、低沸点冷媒を用いて極低温媒体が気化する際に生じる冷熱エネルギーを利用し発電させる実証試験を実施し、冷媒サイクルの安定性や所定の回生出力が得られる事を確認しました。

実証試験設備は、主に冷熱ORCタービン発電機、冷媒凝縮器(極低温媒体気化器)、冷媒タンク、冷媒ポンプ、冷媒蒸発器にて構成され、実際のガス気化設備(舶用FGSS(注1)や陸上ガス化設備等)を模擬したものとなっています。
今回の実証試験により、極低温媒体の相変化(注2)や冷媒サイクル特性の把握、制御性の確認等、将来の製品化に繋がる有益な成果が得られました。

独自に開発した次世代型冷熱ORCタービン発電機は、三菱重工が有するタービン技術や極低温技術を活用し、コンパクト化・高性能化を図ると共に、冷媒を系外に漏洩させる事のない完全密閉型車室とオイルレス磁気軸受採用によりメンテナンスフリーを実現しています。   当社は今後も海事産業の低炭素・脱炭素化に貢献すべく、ガス気化時の冷熱回収装置やエンジン排熱回収装置等の機関効率向上に寄与する製品を含め、様々な新技術開発と提案メニューの一層の拡充に努めてまいります。

(注1)Fuel Gas Supply Systemの略。燃料ガス供給システム。
(注2)物質の三態(三相)間の変化。例えば、液体から気体への変化。


冷熱ORC実証試験設備外観

冷熱ORCタービン発電機外観