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船舶燃料としてのアンモニア安全使⽤を⽬指した新プロジェクトが始動

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  • ロイド・レジスター・グループとマースクゼロカーボンシッピング研究所が協働、2021年中に運営開始予定
  • アンモニアが持つ安全性とリスクを評価、海洋産業バリューチェーンの脱炭素への移⾏につなげる

三菱重⼯業は、当社グループが掲げるエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)戦略の⼀環で、三菱造船株式会社と三菱重⼯マリンマシナリ株式会社が中⼼となり、設⽴パートナーとして参画する海運 業界の脱炭素化を促進するための研究機関「マースクゼロカーボンシッピング研究所(The Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping)」※1を通じ、アンモニア(NH3)を輸送⽤燃料として安全に使⽤するためのガイドラインを開発する新プロジェクトを開始します。英国の船級協会であるロイド・レジスター・グループ(Lloyd's Register Group Limited, LR)※2 と同研究所が協働し、船舶燃料としてのアンモニアを 安全に使⽤することで、海運業界の脱炭素化を⽬指します。

燃料としてのアンモニアは、海洋産業バリューチェーンが脱炭素へと移⾏するなかで、海上物流に適した⻑期的な解決策として⼤いに期待されています。グリーンアンモニアは、再⽣可能エネルギー電⼒を⽤いた⽔電気分解によってできた⽔素を窒素と合成することによって⽣成され、CO2を排出しない燃料である⼀⽅、⾼い毒性を持つことから、安全で持続可能な海洋燃料として導⼊するためには、⼈体や船体設備、環境への具体的な安全性評価を実施し、アンモニアを使⽤する際の安全ガイドラインを策定することが重要です。

現在、世界におけるCO2排出量の約3%を海運業界が占めており、他産業における脱炭素化への取り組みが進むにつれ、今後数⼗年間のうちにその割合は増加する可能性が⾼いといわれています。三菱重⼯グループは、アンモニア運搬船やアンモニア製造プラントで培った経験と、本プロジェクトで協働を進めるプロジェクトパートナーとの知⾒の共有や課題克服への取り組みなどを組み合わせることで、輸送⽤代替燃料としてのアンモニアの安全な導⼊を加速し、海上物流のさらなる発展と世界的課題である環境負荷低減に貢献していきます。

※1 A.P.モラー・マースク・グループの提唱により昨年6⽉に設⽴された、海運業界の脱炭素化を促進するための研究機関です。デンマークの⾸都コペンハーゲンに本拠を構え、三菱重⼯をはじめとする世界7企業・機関の参画により、海運 業界の脱炭素化を新燃料および新技術の開発を中⼼に進めることを⽬標としています。

※2 ロイド・レジスターは、船舶の安全性を向上させるため260年以上前に英国で創設された世界初の船級協会です。グループ企業のテクノロジー、イノベーション、企業価値における⻑年の基盤を活⽤して、よりクリーンで持続可能な世界 を⽬指しています。

以上

窓口担当:三菱重工マリンマシナリ株式会社