#18
WORK&
PERSON
INTERVIEW

H3ロケットの開発から
新しい宇宙ビジネスの立案へ。

新見 耕二
KOJI SHIMMI
設計
#ロケット開発 #防衛・宇宙
防衛・宇宙ドメイン
宇宙事業部
宇宙システム技術部
装備設計課
主任
[2008年入社]
工学系研究科航空宇宙工学専攻修了
※内容は取材当時のものです

大学院を経て就職活動をした新見さんにとって、
三菱重工はどのように映りましたか。

大学院では宇宙工学を専攻し、卒業後は宇宙に関連する仕事がしたいと思っていました。子供のころテレビで見た毛利宇宙飛行士のスペースシャトル搭乗、それに続く国際宇宙ステーション(ISS)の建設等さまざまな宇宙イベントを見て育ち、漠然と宇宙への憧れを抱いていたのがきっかけです。
就職活動の一環で、三菱重工のロケット工場を見学。エンジニアの方たちが熱心にかつ楽しそうにロケットの説明をしてくれたのがとても印象的で、それが入社するきっかけとなりました。

ロケット工場の見学がきっかけで入社し、
いまはどのような仕事を?

現在の仕事は、日本の次期基幹ロケットH3の開発です。H3ロケットの第一段推進系の設計を担当しており、今回のプロジェクトの目的である「H-ⅡA/H-ⅡBの高い信頼性を維持しつつ、国際競争力のあるロケット(=低コスト化)」を実現するため、日々検討を進めています。
具体的には、民生技術の導入やシステムの簡素化、高精度かつ低コストな加工技術、品質管理技術導入等、H-ⅡAロケットの経験に基づき設計・製造・運用のあらゆる面を見直す取り組みを行っています。2020年の試験機1号機の打上げに向けて、これから開発試験に移行することになりますが、一つ一つの試験を確実に実施することにより、着実に歩を進めていきます。

ロケットの設計業務では、
どのようなやりがいを感じますか。

宇宙開発には大勢の人が関わることから、入社前には「担当できる仕事は全体の中の一部だけなのでは…」と思っていたのですが、実際にはロケットシステム全体を考えて最適な設計をすることが求められます。例えば、エンジンに燃料を供給するラインの設計をするためには、タンク加圧システム、タンク構造、飛行経路、エンジン性能等、関連する項目は多岐にわたります。裏を返すと、ロケットシステムという広い範囲で設計に携わることができます。責任も大きいですが、その分やりがいも十分にある仕事です。
また、設計のみでなくH-ⅡA/H-ⅡBロケットの打上げ業務も行います。打上げ当日は、発射管制棟(ブロックハウス)に入り、燃料充填から機能点検、カウントダウンシーケンスまでさまざまな数値をチェックし、ロケットの健全性をモニターします。モニターしたデータに異常がある場合は、それが打上げに対して影響があるかどうかを短い時間で検討評価し、打上げ可否判断を行う必要があります。
打上げ可能なロケットは必ず打上げる。また、打上げてはいけないロケットは必ず打上げを中止するという評価が求められる、非常に重要な役目です。全ての機器が正常に機能し、ロケットが大空に打上がったときには、毎回ほっとして達成感とともに見守っています。

これからの宇宙開発に向けて、
取り組んでいることをお聞かせください。

私の目標は宇宙をもっと身近にすることです。例えば多くの人が宇宙旅行に行けるような新しいロケットの開発や、多数の人工衛星を軌道上に打上げ(コンステレーション)、月や火星の資源の有効活用等が実現すれば、もっともっと宇宙が身近になり、宇宙開発が活性化すると思います。
そんな夢に向けた第一歩として、同僚のエンジニアたちと新規事業開発チームを立ち上げました。今はさまざまな構想を練っている段階ですが、いつかここから新しい試みが始まることを信じ、毎回、激論を交わしています。学生の皆さんもぜひ仲間に入ってほしいと思っています。

PERSONAL DATA

数年前、会社の先輩から「来週、ベトナムに行かない?」と誘われたのがきっかけで旅の楽しみに目覚め、以来、長期休暇を利用して海外のあちこちを回っている。最近ではマチュピチュ遺跡やウユニ塩湖に行ったり、ヨーロッパを訪れたり。また毎年2月に行われる会社の駅伝大会にも参加するので、12月ごろからはトレーニングに本腰を入れ始める。
BACK TO INDEX