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MITSUBISHI Heavy Industries Recruiting Information
INTERN

インタビュー

RIKUMA SHIJO
四條利久磨

マーケティング&イノベーション本部
BI&I部
MTIグループ
[2002年入社]
工学研究科環境地球工学専攻(土木系)修了

巨大津波の教訓が、
流体力学の進歩につながった。

東日本大震災で壊された多くの橋から学んだこと

 流体力学は建造物の構造を決める重要な分野であり、橋梁はもちろんのこと、船舶や煙突、クレーン、高層ビルそしてロケットまで、風のエネルギーをどう受けるか検討した上で設計しなければなりません。私は入社以来、この分野の研究を続けてきました。長崎の研究所には日本で最大規模の風洞実験設備があり、さらに世界でも最高レベルのシミュレーション技術を組み合わせることで、風に強い建造物をつくってきたのです。
 2011年以降、この分野に全く新しいテーマが加わりました。東日本大震災において大規模な津波の被害が生じたことから、建造物に作用する水の影響についても、研究を始めることになったのです。それまで一部の港湾施設や水中の構造物を除いては、あまり検討されてこなかったテーマだけに、まさに新しい学問分野への挑戦といえます。
 東日本大震災の津波被害において非常に目立ったのが鉄道橋や道路橋などの破壊でした。これまで橋梁は交通荷重と地震および風に耐える構造にするよう設計され、波の影響は考えられていませんでした。
 ところがこれらの橋が波を被り、横からの強い水の力にさらされると橋桁はあっさり流されてしまいます。津波に襲われた地域ではほとんどの橋が被害を受けており、鉄道も道路も寸断されたことから、対策が急がれました。
 幸い、社内には主に船舶の開発に使う大型の水槽や波を起こす設備もあったので、津波を人工的に再現できるのは大きな強みです。そこで実験した結果をもとに数値解析を進め、コンピュータ上でシミュレーションできるシステムを完成させていったのです。

研究成果がもたらした社会への貢献と自身の成長

 大震災の被害を目の当たりにし、私は、社会インフラの構築を事業の柱としてきた会社の一員として、そして一人のエンジニアとして、何か役立つことができないかという思いで研究を進めました。すでに研究成果の一部は復興事業にも活かされており、新しくつくられる橋は以前のものより波に対して強いものになっているはずです。
 またこの研究を通して「橋梁に作用する津波の力の評価式」を完成させたことで、私自身が博士号をいただくこともできました。学問的にも意義のある成果だと認められたのですから、うれしさは格別です。
 建造物に対する流体の影響の研究は、今後、さらに大きな広がりをみせていくと思います。エネルギー分野では大水深の油田やガス田開発、金属資源開発、海洋エネルギー発電の開発といったプロジェクトが増えてきました。そこでは海中に石油やガス、金属資源の生産機器や発電装置などさまざまなインフラを建設していこうといった計画もあり、これらの設計にはより高度な流体力学の知識が必要になるはずです。
 海中における建造物の動きや建造物内の生産流体の流れについては、まだよく分かっていないところもあり、海中の設備にさまざまなセンサを付け、そこからのデータをモニタリングする実験をしてみたいですね。そうやって流体の可視化を進めれば、もっと精密な設計ができます。空気から水へと研究の対象が広がったことで自分の仕事がますます面白くなってきました。そして、幅広い分野に挑戦できる三菱重工という会社にいて、改めて本当によかったと感じています。

パーソナルデータ

昔は「週6日はやっていた」というほどサッカーに夢中で、研究所のサッカーチームで会社の全国大会にも出場していた。しかし最近、子供が生まれ、「これからは育児が最大の趣味になりそう」と笑う。

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