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米国の国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)計画に
当社提案が選定される

発行 第 4615号
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 三菱重工業は、米国エネルギー省(DOE)が推進する国際原子力エネルギー・パートナーシップ(Global Nuclear Energy Partnership:GNEP)計画への技術的提案が認められ、DOEの契約交渉先に選定された。DOE がこの計画実現のため、国内外の産業界に対し呼び掛けていた提案公募に対し、当社は6月中旬、フランスのAREVA Groupと共同で提案を行っていた。

 GNEPは、米国ブッシュ大統領の新エネルギー政策の一環として、2006年2月にDOEが打ち出したグローバルな核燃料リサイクル構想。具体的には、使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムなどを燃料として燃焼させることで核エネルギー資源の有効利用を推進する一方、この構想のパートナーシップ国(先進諸国など)以外の国々に対しては、自前の濃縮・再処理技術の放棄を前提に適正価格での核燃料の供給(リース)受け入れを可能にして、核拡散リスクの軽減をはかっていくことを狙っている。

 DOEはこの計画を実現するため、計画の技術的コアとなる、プルトニウムなどを燃焼させるための先進リサイクル炉(ARR:Advanced Recycling Reactor)と、使用済み燃料を再処理するための設備である統合核燃料取扱センター(CFTC:Consolidated Fuel Treatment Center)の一括提案を募集していた。完成目標は2020年。

 当社とAREVA Groupとの共同提案は、ARRについては当社がリーダーとなり、また、CFTCについてはリーダーのAREVAと日本代表の日本原燃および複数の米国企業※が参加する体制で開発を推進するとしたもので、当社はARRとして、冷却材に液体金属ナトリウムを使用したループ型の高速炉概念の採用を提案していた。

 提案に際しては、米国の構想への参画をいち早く決定した日本国政府の意向を踏まえ、文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本原子力研究開発機構、日本原燃などの協議を経た。また、今後の検討に際しても、日本原子力研究開発機構、フランス原子力庁(CEA)の支援を得て進めることとしている。

 当社は今後、本年9月に予定されているDOEとの正式契約に向け、実施内容などについて協議していく。
※複数の米国企業= ワシントングループ(Washington Group International)、BWXテクノロジーズ(BWX Technologies, Inc.)、バッテル・メモリアル(Battelle Memorial Institute)



Tags: 原子力,北米,パワードメイン
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