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日本企業で初めて排煙脱硫装置の技術をインド企業に供与
同国最大の重電機メーカー バーラト重電公社(BHEL)へ

発行 第 5341号
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 三菱重工業は、インド国営のバーラト重電公社(Bharat Heavy Electricals Ltd.: BHEL)に排煙脱硫装置の技術をライセンス供与することで合意し、3日、契約を締結しました。技術供与の対象となるのは、石炭火力発電ボイラーや産業用ボイラー向けの石灰石膏法および海水法排煙脱硫装置のEPC(設計・調達・建設)技術で、日本企業がインド企業に排煙脱硫装置の技術を供与するのは今回が初めてです。

【排煙脱硫装置】
 排煙脱硫装置は、石炭などを燃焼した際に発生する排ガスの中から二酸化硫黄(SO2)などを取り除いて浄化するプラントで、当社の技術は、排ガスと吸収液の接触効率を向上させる液柱塔※を採用して、高いSO2吸収性能を発揮するのが特徴です。
 今回の契約締結は、インドで予想される今後の環境規制強化に先立って先進の技術を導入し、市場の主導権を握っておきたいBHELと、この分野の急成長が期待される同国市場参入への足掛かりを得たい当社の思いが一致したことによります。

 インドでは、電力の60%強に当たる約1億kWが石炭火力によって賄われていますが、経済の発展に伴い、第12次5か年計画(2012~2017年)でさらに約8,000万kW規模の石炭火力の導入が計画されています。現状では、SO2規制が未だ本格化していないため排煙脱硫装置の設置は限定的ですが、大気汚染問題などが深刻化していることから、環境規制強化の動きもあり、排煙脱硫装置の需要拡大が見込まれています。

 BHELは、国内に14の工場を持つインド最大の重電機メーカーです。ボイラー、蒸気タービン、ガスタービン、水車、発電機、送電設備などの多様な機器・設備の製作・供給から、ターンキー方式による発電所の建設までを手掛け、同国内向け火力発電設備では圧倒的なシェアを誇っています。また、当社との関係も良好で、当社は2007年から同社に対し火力発電所用各種ポンプの技術をライセンス供与しています。

 当社は1972年に火力発電設備からの排ガスを処理するプロセスを実用化して以降、今日まで世界に220基超の排煙脱硫装置を納入した実績を持っています。
 当社は、今回のBHELへの技術供与により市場対応力をさらに強化し、今後、急拡大することが見込まれるインドの排煙脱硫装置市場で一層積極的に事業を展開していきます。

※液柱塔方式 = 石灰石スラリーを吸収塔下部から噴水のように吹き上げ、上昇中と下降中の2回、気液(排ガスと石灰
    石スラリー)を接触・反応させてSO2を除去する方式。従来方式より簡単な構造で、高いSO2除去性能を確保できるの
    が特徴です。

 

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