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高速・高精度仕上げで量産に強い歯車研削盤「ZE15B」を開発
非加工時間も短縮し生産性向上

発行 第 5023号
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 三菱重工業は、歯車量産ラインに対応した歯車研削盤「ZE15B」を開発した。1月27(木)、28(金)の両日に当社工作機械事業部(滋賀県栗東市)で開催する歯車機械内覧会「三菱重工工作機械フェア2011」で披露し、本格販売を開始する。高速・高精度な仕上げ加工能力が特長で、ワーク交換などに必要な非加工時間も短縮することで、生産性を向上した。自動車製造業界を中心に幅広く拡販していく。

【量産型歯車研削盤「ZE15B」】
 ZE15Bは、最大外径150mmまでの歯車加工ができる。当社が2004年に市場投入し好評を博してきた歯車研削盤「ZE15A」を改良することにより、量産対応性をさらに高めた。また、設置場所の省スペース化ニーズに対応して、設置面積は幅3,980×奥行4,000mmと10%小さくなっている。

 新開発のツインテールストック式ワーク交換装置を搭載し、非加工時間を5秒に短縮。また、機械の剛性を高め、砥石回転速度を最大6,000回転/分と3割強高速化することにより、短い時間で一層の高能率研削加工を実現した。砥石を成形・目直しするドレス装置は、高速・高剛性の新型を開発。これにより、ドレス時間を短縮するとともに、多条ドレスや歯底研削などにも対応できるようにした。
 砥石交換、ドレッサー交換の後に必要な歯合わせ作業(基準位置設定)を自動化し、操作性を向上。また、複雑な歯面形状にも対応できるように、歯形修正機能や、歯面ねじれであるバイアスの修正機能※1も搭載している。

 自動車製造業界では、自動車の静粛性や燃費の向上、生産コストの低減に向け、ミッションギヤなどの各種歯車を高精度・高能率かつ低コストに加工できる設備に対するニーズが高まっている。
 当社は、1997年に世界初となる切削油不要のドライカット歯車加工システムを開発して以来、高能率・高精度で環境にも配慮した各種歯車加工機械・切削工具の充実した品揃えで、業界をリードしてきた。

 今回のZE15B投入により、歯車量産現場の品質・コスト競争力アップに対する需要を着実に掘り起こし、顧客の拡大に弾みをつけていく。

※1 バイアス修正=歯筋を修正することで生じる歯形形状の変化を元に戻すこと。

ZE15Bの主な仕様

ワーク最大径

φ150mm

最大モジュール2

4

砥石外径×長さ

φ220300×125mm

砥石最大回転数

6,000回転/分

砥石モーター出力

25kW

アキシャルストローク:砥石上下

250mm

ラジアルストローク:砥石前後

270mm

幅×奥行

3,980×4,000mm

機械質量

11,000kg

2 モジュール=歯車の歯の大きさを表す値。ピッチ円の直径(mm)を歯数で割ったもの。

 

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