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米国アーカンソー州の風車ナセル工場 着工
生産開始は2011年秋

発行 第 4985号
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 三菱重工業は8日(現地時間7日)、米国アーカンソー州フォートスミス市に設立する風力発電設備組立工場の建設を開始した。同設備の中核機器であるナセルを生産するための工場で、当面の生産能力は年間約60万kW。需要拡大が期待される北米市場の需要を取り込んで、シェア拡大を目指す戦略拠点となる。生産開始は2011年秋。当社が海外でナセルを生産するのは同工場が初めて。

【鍬入れ式の模様】
 現地では同7日、これを記念して“鍬入れ式”が催された。式典には、マイケル・ビービー(Michael Beebe)同州知事をはじめとする地元政界・ビジネス関係者多数のほか、当社からは福江一郎副社長が出席した。

 新工場は、当社原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA、本社フロリダ州)が運営・管理する。当面、当社の主力大型機種である2,400kW風車を年間約250基生産する方針で、その後段階的に生産量を拡大していく計画。また、今後需要の伸長が予想される低風速域向け長翼機種の投入なども検討していく。敷地面積約36万m2、工場建屋面積約1万9,000 m2で、330人規模の雇用を予定。
 なお、今回の工場建設には州および市政府による優遇策が付与されるほか、連邦政府の再生エネルギー事業に対する税優遇制度措置の対象にもなっている。

 ナセルは、風力発電設備のタワー頂部にある風力を電力に変える装置。風車の回転軸、発電機、増速機、制御装置、電気設備などで構成する。

 福江副社長は「新工場は米国での風車製造の中心拠点となるのみならず、アーカンソー州に対し、新たな雇用と投資によって経済的に貢献できることを非常に嬉しく思う。州政府、職員、地元ビジネス界などが一体となった支援がなければ、この日を迎えることはできなかった」と感謝の意を述べた。

 マイケル・ビービー州知事は「鍬入れ式は、三菱のわが州への第一歩を記す記念すべきイベントだ。これにより直ちに建設雇用が発生するだけでなく、長期的にも高品質の再生エネルギー関連の雇用が生み出される。州と住民の働きかけが身を結び、わが州に進出する世界的企業がさらに1社増えることとなった」と述べた。

 当社は1980年の初号機納入以来、四半世紀余にわたり、風力発電設備の自主開発・製作・供給に取り組んできた国内最大の大型風力発電設備の総合メーカー。米国への参入は1987年で、以来、約3,300基の米国納入実績を誇っている。
 すでに当社は北米向けのブレード(翼)生産拠点としてVienTek社メキシコ工場を確保しているが、今回、北米にナセルの生産拠点を構築することで、為替リスクを回避しつつ、拡大する北米需要により一層積極的に対応していく。

 

製品ページ

Tags: 再生可能エネルギー,北米,パワードメイン
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