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小型高温ガス炉PBMRの開発でMOUを締結
将来的にはプラント建設や市場開拓でも協力を検討

発行 第 4902号
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 三菱重工業は、南アフリカ共和国のPBMR社と、ペブルベッドモジュール型高温ガス炉(PBMR:Pebble Bed Modular Reactor、球状燃料要素炉)を共同で開発することを検討していくことで合意し、今後、具体的な協力分野を調整していく。3日、そのための覚書(MOU)を締結した。当面、同社が開発中のPBMRである20万kWt(サーマル)プラントの設計において協力可能な分野を検討する。また、将来的には、プラントの建設、市場開拓などでも協力を模索していく方針で、これにより、安全性と経済性を両立する小型高温ガス炉が実用化へ向け新たなステップを踏み出すこととなる。

 20万kWtプラントは熱出力20万kWtのペブルベッド型炉と750度℃の蒸気を供給する蒸気発生器で構成される小型高温ガス炉。黒鉛球状燃料とヘリウム冷却材を使用して、炉心溶融の心配がなく、安全性が高いのが特徴。また、初期投資が少なくて済み、送電線が本格的に整備されていない地域に適した原子炉でもある。同国の化学メーカー大手であるSasol社のほか、複数の潜在顧客が導入を検討しているもので、運転開始は2020年頃を目標としている。

 具体的には、20万kWt プラントの設計における協力分野が決定され次第、当社が当該研究開発の一部を実施する。また、将来的には、20万kWtプラント初号機の建設やPBMRの市場開拓などでも協力の可能性を探っていく。

 PBMR社は、PBMR開発プロジェクトを担うため1999年に設立された原子力エンジニアリング会社。当社は2001年にPBMR開発計画に参画して以来、同社と良好な協力関係を保っている。

 今回のMOU締結は、当社の原子力プラントの設計能力、製造技術、納入実績などが高く評価されたことによる。当社は今回のMOU締結を機に、PBMR社との協力関係を一層強めつつ、PBMRの研究開発と市場浸透に一層積極的に取り組んでいく。

 


Tags: 原子力,アジア,パワードメイン
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