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セグメント別事業概況

パワードメイン

エネルギーソリューションとターボマシナリー事業に
おける世界トップを目指します。

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  • 火力

    世界最高水準の高効率・高出力(発電)システム
    中小型から大型までの全出力レンジに対応
    最先端の環境対策技術(AQCS(注1)、IGCC(注2)
    経験豊富なEPC能力

  • 原子力

    世界最高水準の安全技術・製品品質

  • 再生可能エネルギー

    洋上風車の豊富な受注実績
    (世界シェア2位(MVOW(注3)))

  • ターボマシナリー(回転機械)

    ターボマシナリーシナジー(技術、人材、設備の相互活用)

    ガスタービン、航空エンジン、航空エンジン転用型ガスター
    ビン(PWPS(注4))、コンプレッサ、ポンプ、MET過給機、
    有機ランキンサイクル(ORC)

  • (注1) AQCS:大気環境対策システム
  • (注2) IGCC:石炭ガス化複合発電設備
  • (注3) MVOW:MHI Vestas Offshore Wind A/S
        (デンマークVestas社とのJV)
  • (注4) PWPS:PW Power Systems, Inc.
  • 火力

    収益力(PMIの遅れ)

  • 原子力

    海外新設プラント経験

  • 再生可能エネルギー

    ラインアップが限定的(洋上風車、地熱、有機ランキンサイクル)

  • コンプレッサ

    Oil & Gas市場での実績

  • 航空エンジン

    欧米エンジンメーカー主導の市場

  • 火力

    環境規制強化に伴う高効率・クリーン電力ニーズの増大
    再生エネルギー拡大に伴う負荷調整ニーズの拡大

  • 原子力

    新興国を中心に新規原発の導入

  • 再生可能エネルギー

    洋上風車の需要増大

  • コンプレッサ

    Oil & Gas市場の活性化

  • 航空エンジン

    市場の継続的成長

  • 火力

    海外競合先との競争激化
    先進国での化石燃料への逆風
    再生可能エネルギーの市場席巻

  • 原子力

    先進国における脱原発の潮流

  • 再生可能エネルギー

    急速な風力発電単価低減要請(政府補助金制度の縮小)
    競合先のM&Aによる事業拡大(規模の経済性の追求)

  • コンプレッサ

    Oil&Gas市場回復遅れ、競争激化

  • 航空エンジン

    技術革新による航空機ビジネスモデルの変化

主要事業別売上高

業績推移のグラフ

事業環境

発電設備分野では、世界的な温暖化対策、環境規制強化等の機運が高まり、中長期的トレンドとして、再生可能エネルギーの伸長、化石燃料を用いた発電の成長鈍化が予想されます。

当ドメインの主力事業である天然ガス・石炭火力発電設備や原子力発電設備は、引き続き大きな電源容量を占めており、メンテナンスサービスは堅調に推移するものの、特に石炭火力を中心とした新設発電所建設需要の停滞、これに伴う受注競争のさらなる激化が予想されます。

継続的な需要増加が予想される風力などの再生可能エネルギーについても、今後は発電効率向上および発電単価の低減ニーズや、電源の安定性を担保するための負荷調整システムや蓄電システムのニーズの増大が予想されます。

一方、今後有望視されるOil & Gas分野では、原油価格低下を契機とした投資抑制が継続しておりますが、市場の回復に伴うコンプレッサの需要増を期待しています。また、世界的に旺盛な航空機需要に基づき、航空エンジンについては、堅調な市場拡大の継続が見込まれています。

2017年度方針と中長期の重点戦略

2017年度は、依然として厳しい事業環境が予想されますが、サービス事業の拡大や受注済み国内大型火力発電設備の建設の確実な遂行等により、売上利益計画を達成します。また、2018年度からスタートする新事業計画での飛躍に向けて、MHPSのPMI加速やターボマシナリーシナジーによる競争力強化と収益力向上を図り、強固な財務・技術基盤を構築します。

中長期的には、環境負荷低減・低炭素社会実現等のニーズに呼応した電源構成の変化や多様化するお客さまの要請に的確に応えるべく、より高度な発電技術の開発に取り組むとともに、エネルギーの効率的運用に係る最適なソリューションの提供を行うことが重要課題です。

火力発電設備では、ガスタービン複合発電(GTCC)で世界最高水準の効率を実現可能とする1,650℃級次世代ガスタービンの開発を前倒しし、精力的に推進します。石炭火力では、発電効率向上とCO2排出量削減が可能な石炭ガス化複合発電設備(IGCC)の建設を推進します。

原子力発電システムでは、世界最高水準の国内新規制基準に適合するPWRプラントの再稼働支援に注力するとともに、フランスアレバグループとの協業強化により、原子燃料サイクル分野や海外新設プロジェクトに取り組みます。

再生可能エネルギーの注力分野である洋上風力発電設備については、デンマークMVOWにて、最新鋭の9.5MW機投入および北米・アジアなどへの市場拡大を図る計画です。再生可能エネルギーの伸長に伴う電源負荷調整ニーズへの対応としては、急速起動性を有する航空エンジン転用型ガスタービンや蓄電設備等を活用したシステムを提供します。

一方、エネルギーの効率的運用の観点では、ガスタービンを中核としたターボマシナリー技術の集積によるシナジー効果の最大発揮やIoT/AI技術の活用によるソリューションを提案します。具体的には、設備の運転・保守を最適化するデジタルソリューションサービス“MHPS-TOMONI™”や、工場等の効率的なエネルギー運用を実現する“ENERGY CLOUD® Service” の提供を開始しました。コンプレッサは、従来からの得意分野である石油化学プラント向けの受注を確保するとともに、ガスタービンとの組み合わせによる新鋭コンプレッサトレインを擁してOil & Gas上流市場への参入拡大を図ります。航空エンジンについては、運用中エンジンのメンテナンス事業の拡大と同時に、次世代エンジンの開発に取り組みます。

主要子会社の事業方針―MHPS―

2016年度は、火力発電プラント市場の世界的な冷え込みにより、受注、売上ともに計画を下回りました。2017年度は受注済みの国内向けの新設プラントの工事本格化の時期にさしかかり、売上高は回復基調ですが、事業環境の顕著な改善は当面期待できない状況です。かかる厳しい事業環境に真摯に向き合い、斬新な攻めの戦略と堅実な守りの戦略を強力に推進し、事業の持続的発展を図ります。

まず、攻めの戦略としては、提供を開始済みのIoT/AI技術を活用した火力発電所向けサービスシステム“MHPS-TOMONI™”の運用を通じて、プラントの長期保全および運転支援などのサービス事業の拡大を進めます。また、海外案件の受注伸長を期し、重点市場であるアジア、北中南米、中東、東欧の拠点を拡充し、商談情報の収集力を強化するとともに、輸出信用機関等の支援や、円借款制度の活用を通じて、案件組成力を強化します。さらに、今後も拡大が期待される300MW超の大型ガスタービン市場においては、競合他社の最新機種を凌駕し、トップシェアを奪還すべく、1,650℃級の次世代ガスタービンの市場投入を1.5年前倒しし、2019年度に初号機出荷を目指します。

一方、守りの戦略としては、PMIの加速による収益力の回復に取り組みます。具体的には、工場ごとの製品ラインアップの整流化による生産効率の向上、資産の有効活用等により固定費100~150億円を削減するとともに、海外拠点の活用などサプライチェーンの最適化を推進します。

社会課題の解決

低炭素社会の実現に資するエネルギーポートフォリオ

社会課題

世界平均地上気温変化の予測

20世紀後半から、大気と海洋の温度上昇、海面水位の上昇、雪氷の減少といった現象が示すように気候の温暖化が進行しており、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)では、CO2などの温室効果ガス濃度の上昇がその大きな要因である可能性が極めて高いと推測しています。今後、世界平均地上気温は、最悪のシナリオでは2100年までに4℃前後の上昇が予想されており、地球全体にとって気候変動は重大なリスクになっています。その対策として、パリ協定が採択されるなど、低炭素社会の実現に向けた動きがグローバルに強まっており、特にCO2排出に影響の大きい発電分野においては、今後中長期的に再生可能エネルギーの大幅な増加が見込まれています。

MHIグループのソリューション

当社グループは、世界最高水準の効率性を誇る火力発電プラント、洋上風車や地熱発電といった再生可能エネルギーなどの幅広い発電メニューと、AQCSやSOFC(注)などを組み合わせた複合的なシステムによって、世界の各地域ニーズに応じて温室効果ガスの低減に貢献することができます。

まず、世界最高水準の効率性を誇る火力発電プラントでは、特に、高効率ガスタービン複合発電(GTCC)における世界のトップ企業の一角として、高砂地区(兵庫県)の実証設備において、「開発・設計・製造・実証(独自の長期負荷運転試験)・量産および(その過程で得られた結果を並行して次の開発・設計・製造等へ)反映」するサイクルを推進し、常に「High Efficiency/High Reliability/High Environmental Friendliness」を追求しています。

再生可能エネルギーの利用が急速に拡大している欧州においては、MVOWが洋上風車事業を展開しています。MVOWは当社とデンマークのヴェスタス社が互いに50%出資して2014年に設立した合弁会社で、デンマークや英国の沖合で進められている多くの大規模ウィンドファーム建設プロジェクト向けで順調に受注を積み重ね、洋上風力発電設備市場で世界第2位のシェア(2016年末累積)を確保しています。その発電設備は世界最大の出力を誇り、顧客の発電原価の低減にも大きく貢献しています。

また地熱発電分野でも、これまでにメキシコやケニアなど世界13ヵ国から100件を超える受注実績が当社グループにはあります。総設備容量は300万kWを超えており、世界の地熱発電設備容量実績でトップクラスのシェアを確保しています。地熱発電はCO2の排出がなく、天候に左右されず安定して発電できるため、今後の発電手段として有望視されています。

一方、石炭焚きニーズが高い東南アジアなどの採炭国に対しては、世界一の技術が搭載された石炭ガス化複合発電(IGCC)を提案していきます。IGCCは、石炭を高温高圧のガス化炉を用いてガス化し、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率のコンバインドサイクル方式で発電することで、従来の石炭焚き火力発電に比べて発電効率を飛躍的に向上させ、CO2排出量を約15%削減する火力発電システムです。従来の火力発電では難しかった低品位炭の活用も容易になるため、資源の有効利用と環境保全の両面で今後ニーズが高まると見込まれています。当社のAQCSと併せ、地域に最適な形で提供することで、石炭火力発電の環境負荷を抑えることができます。

地熱発電設備(メキシコ)

さらに当社グループでは、次世代技術としてSOFCの商品化を進めており、2017年度からSOFCとマイクロガスタービンを組み合わせたハイブリッド機の市場投入を開始しています。SOFCは都市ガスやLNGを改質して水素および一酸化炭素を取り出し、空気中の酸素と反応させることで直接電力を発生させるとともに、同時発生する熱を有効利用できるため、エネルギー効率が非常に高く、将来の分散電源・集中電源として期待されています。

(注) SOFC:固体酸化物形燃料電池

当ドメインにおけるESGの重要課題への取り組み 重要課題3 メガトレンド(グローバル市場)への適合

IoT/AI技術と長年培った知見を組み合わせたソリューション

当ドメインでは最先端技術であるIoT/AIを活用し、多様化するお客さまとそのニーズに応えています。火力発電所のお客さまに対しては、MHPSは2017年3月から火力発電設備の運転および保守コストの最適化と環境性能の向上を実現する「MHPS-TOMONI™」を提供しています。MHPS-TOMONI™は、電力業界向けにMHPSが開発した総合的なデジタルソリューションのアプリケーション群で構成されており、数十年にわたり培ってきた火力発電に関する革新的技術や専門知識、O&Mノウハウと、お客さまとの緊密なパートナーシップに基づくビッグデータ解析やAI技術などが活用されています。

また、電力の大口需要家のお客さまに対しては、2017年4月より当社が「ENERGY CLOUD® Service」の提供を開始しました。ENERGY CLOUD®は、当社グループの世界トップクラスの発電設備関連事業の実績や技術力と、当社グループ自身の多彩な工場運営ノウハウの統合的分析によって構築した独自のAI技術「ENERGY CLOUD® Brain」で実現するエネルギーソリューションサービスの総称です。このAI技術による分析と、新開発した設備稼働モニタリングシステムによるデータ計測を通じた、90%を超える高い精度でのエネルギー需要予測と、設備稼働状況の把握によって、エネルギー調達と生産効率の改善をサポートします。また、ネットワーク接続することで複数の事業所にわたるエネルギーマネジメントシステム(EMS)を構築可能です。各地域のニーズに応じた海外展開の検討も開始しており、将来は1,000億円の事業規模を目指しています。

ENERGY CLOUD® サービススキーム

研究開発事例

1,650℃級次世代ガスタービンの要素技術の開発

当社では長年にわたって高効率のガスタービン複合発電(GTCC)を開発しており、現在は、競合他社の最新機種を上回る64%以上のコンバインド熱効率を想定した、タービン入口温度1,650℃級のガスタービンの開発および次世代空冷システムなどの要素技術開発に取り組んでいます。具体的には、タービン入口温度の高温化に伴って発生リスクが高まる燃焼振動およびフラッシュバック(逆火)に対する予測技術や、発電効率向上のために冷却空気の増加を最小限にとどめるためのタービン翼の熱伝達率分布予測技術などの開発が進行中です。今後の主力市場となる300MW超の大型ガスタービン市場でトップシェアを奪還するため、開発を加速させており、市場投入は2019年度を目指しています。