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セグメント別事業概況

インダストリー&
社会基盤ドメイン

中小規模事業の再編の仕上げや合弁会社のPMI加速により収益性を確保するとともに、主要事業の成長維持とエンジニアリング関連事業の拡大を図ります。

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  • 幅広い製品分野で培ったノウハウとリソースのドメイン内での有効活用

  • 製鉄機械

    フルラインアップの体制とグローバル事業展開

  • ターボチャージャ

    高速回転技術を活かした高性能製品の開発

  • フォークリフト

    世界第3位の事業規模

  • 冷熱

    豊富な製品ラインアップと世界トップレベルのエネルギー環境技術

  • 化学プラント

    各種プラント建設で培った技術とノウハウを基盤としたエンジニアリング力

  • 交通システム

    システム全体のインテグレーション能力とゴムタイヤ車両技術

  • 商船

    他社を凌駕する環境・省エネ技術

  • 短期的な景気動向に左右される事業が比較的多い

  • 統合後まもない事業に残っている機能や拠点の重複

  • 化学プラント

    売上ボラティリティの高さ

  • 商船

    同じ仕様で繰り返し建造する船の相対的なコスト競争力

  • ターボチャージャ

    環境・燃費規制に対応したエンジンのダウンサイズ+ターボ化

  • 物流機器

    e-コマース拡大に伴う物流ソリューション市場の拡大

  • エンジン

    分散型電源の需要増加に伴い、発電用の市場が拡大

  • 冷熱

    環境保護意識の高まり

  • 化学プラント

    天然ガス産出国の設備投資拡大

  • 交通システム

    都市交通を含む多数のインフラ整備計画

  • 商船

    海運の環境規制強化

  • 新興国企業の台頭

  • 世界経済の不透明感

  • コモディティ化の進行

  • 製鉄機械

    当面継続する世界全体での設備過剰

  • 化学プラント

    ガス産出国における地政学リスク

  • 交通システム

    中国、ビッグ3等競合他社の強大化

  • 商船

    新造船需給ギャップ継続に伴うガス船・フェリー等市場の競合激化

主要事業別売上高

業績推移のグラフ

事業環境

当ドメインは13の事業から構成されており、世界のさまざまなトレンドの影響を受けています。e-コマースの浸透など世界的な物流の活発化により、フォークリフトのグローバル市場は確実に拡大している一方、無人化・自動化などの物流ソリューション市場が急速に拡大しています。また、環境保護機運の高まりと規制強化によって、ターボチャージャの搭載率が上昇し今後も市場拡大が続く見通しで、冷熱市場も中長期的な拡大基調にあります。化学プラントはガス価格低下を受けた天然ガスの高付加価値化のニーズが増大し、商機が拡大しています。ITSは、国内市場は横ばいですが、東南アジア等の道路整備が進むなど、世界全体では拡大傾向にあります。交通システムは、空港拡張案件の増加に伴ってAPM(注1)の需要が拡大しています。商船では世界全体で供給過剰の状態が続いている中で、船舶の環境規制強化への対応の動きが出てきています。

(注1) APM:Automated People Mover

2017年度方針と中長期の重点戦略

2017年度は物流機器やターボチャージャの売上拡大、合弁会社のPMI(注2)加速と商船事業の構造改革による収益の確保により、確実な目標達成を狙います。中長期では、主要事業の成長維持とエンジニアリング関連事業の拡大と収益向上によって、売上高と利益の拡大を目指します。

ターボチャージャは、EVやHV/PHVなどの自動車の多様化するパワートレインに対応した製品の開発・投入を進めるとともに、年間1,100万台のグローバル生産体制を構築し、事業の成長を継続させます。冷熱は、世界トップレベルの商品ラインアップとエネルギー環境技術を活かしてサーマルソリューションビジネスを伸長させ、グローバル展開の推進とサービス事業の強化により事業を拡大させます。ITSは、国内ではモデルチェンジにより需要の喚起を進め、収益力を維持し、シンガポールで受注した次世代ERP(道路課金システム)を基軸に新事業を開拓して事業拡大を図ります。

商船事業は2017年7月に事業統括機能およびエンジニアリングを集約し、艤装技術主体船の建造対応力と省エネ船型等の開発や他ドメインと協業した新分野への取り組みの強化を進めています。加えて他社とのアライアンスにより当社の技術力を活かしたガス燃料船等の新領域を開拓していきます。化学プラントは、運転・保守、アフターサービス事業への参画等により収益安定化を図るとともに、戦略地域での受注拡大を目指します。また、世界最大の処理能力を持つ大規模CO2回収プラントの実績を強みとし、CO2-EOR(注3)事業への本格参入を図ります。交通システムは、強みであるシステム全体のインテグレーション力と、市場競争力と信頼性を兼ね備えたAGT(注4)システムをベースに、O&M(注5)を含めた都市交通のトータルソリューションビジネスを展開していきます。環境設備事業も含めたこれらエンジニアリング関連事業においては、プロジェクトマネジメント能力のいっそうの強化と、QCD(品質・コスト・工程)の管理を徹底し、他事業への水平展開も進めます。さらに、エンジニアリング事業間のリソース融通や、シナジー発揮により、新事業・新分野開拓を目指します。なお、事業強化策として進めてきた中小規模事業の再編・統合は順調に進捗しており、2017年度にほぼ完了する見込みです。

製鉄機械、物流機器の事業戦略は下記「主要子会社の事業方針」をご覧ください。

(注2) PMI:Post Merger Integration(企業や事業の合併後の統合プロセス)
(注3) EOR:Enhanced Oil Recovery
(注4) AGT:Automated Guideway Transit
(注5) O&M:Operation & Maintenance

主要子会社の事業方針―Primetals TechnologiesとM-FET―

ドイツSiemens社との合弁会社であるPrimetals Technologiesは、緩やかな受注回復が見えるものの、世界全体の製鉄機械設備の過剰は当分続くと思われるため、現状の事業規模で収益が確保できるよう、さらなるPMIを推進します。これまでに組織改革や人員最適化などを行ってきましたが、さらに、現在約40ヵ所ある海外拠点を26ヵ所に集約するほか、改めてターゲットコストを設定し、それに見合う設計・調達・製造プロセスの最適化を図ります。また、顧客ニーズと技術トレンドへの適応によりシェアを拡大し、グローバルトップの地位確立を目指します。

三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス(株)(M-FET)は、同社傘下のニチユ三菱フォークリフト(株)とユニキャリア(株)の経営統合を2017年10月に実施し、物流機器事業にて、2019年度までにPMI推進により営業利益率を8%へと向上させる計画です。具体的には、機能すみ分けと重複機能集約といった生産拠点の最適化により生産性を向上させるとともに、調達体制を強化し大幅なコスト削減を図ります。また、日本・北米・欧州を拠点としたグローバル開発体制を皮切りに、マルチブランドによる地域に応じた戦略を世界規模で実践していきます。

社会課題の解決

急速に変化する物流現場での“最適化”への取り組み

社会課題

e-コマース市場の急速な拡大、IoT/AIの普及、少子高齢化の進行に伴うフォークリフト運転やピッキングなどに従事する現場作業員の労働力不足をはじめとして、物流業界を取り巻く社会環境は激しく変化しています。その変化に対応するため、倉庫や工場などの物流現場における“最適化”へのニーズが世界規模で高まっています。

MHIグループのソリューション

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国内向けレーザー誘導式無人フォークリフト

当社グループのニチユ三菱フォークリフト(株)およびユニキャリア(株)は、日本初のバッテリーフォークリフト(1939年)、日本初のエンジンフォークリフト(1949年)、世界初の無人フォークリフト(1971年)など、数々の日本初および世界初の製品を開発し、作業環境と安全性の改善、効率化、省人化という社会ニーズに応えてきました。特に無人フォークリフトは、自動走行はもちろん、昇降機能によるあらゆる高さへの自動荷卸しを可能にすることで、物流現場の自動化に大きく貢献してきました。

従来の無人フォークリフトは、走行路に磁気信号線を施設する方式が一般的でしたが、現在当社グループでは、信号線を施設しないレーザー誘導式無人フォークリフトの市場導入を加速しています。市場が先行する欧州に次いで、2017年4月に国内においても販売を開始しました。これにより従来の無人フォークリフトの問題点(磁気信号線の導入工期/コスト、困難なルート変更)を改善し、その優位性を武器に物流現場における“最適化”に取り組んでいます。

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欧州向けレーザー誘導式無人フォークリフト

さらに当社グループが目指しているのは、フォークリフト単体での取り組みにとどまらない、物流ソリューションの提供によるお客さまの作業・エネルギーの効率化、経費削減と利益創出です。具体的には、無人化・省人化ニーズへの対応として、倉庫内における「保管(自動倉庫)」と「搬送(レーザー誘導式フォークリフト)」を一括で管理するシステム(“ウェアハウスマネジメントシステム”)を展開していきます。

また、効率化と安全・安心ニーズへの対応として、IoTを利用したフォークリフトでのビッグデータ収集とその分析によるさまざまな効率化と予防保全・安全向上のための情報提供のほか、最適な配車や均等稼働などによるエネルギー消費の低減やバッテリー長寿命化の提案などに取り組んでいきます。

2017年10月1日、ニチユ三菱フォークリフト(株)とユニキャリア(株)は経営統合し、三菱ロジスネクスト(株)となります。この新しい名前“LOGISNEXT”は、“Logistical Equipment & System Solutions Next”を意味し、次世代物流の担い手としてグローバル社会の未来づくりに貢献する企業グループでありたいとの思いが込められています。これからも、当社グループは世界各地域のお客さまニーズにマッチしたより高水準の物流ソリューションを提供していきます。

当ドメインにおけるESGの重要課題への取り組み 重要課題1 組織文化ベースでの最適なガバナンスの構築

多様な国籍、文化を持つ人材が集まるPTにおけるガバナンス
(業務プロセスにおけるグローバルガイドラインの制定と浸透)

Primetals Technologies(PT)は、2015年1月、三菱日立製鉄機械(株)とドイツSiemens社の製鉄機械部門(Siemens VAI)の統合により誕生した合弁会社で、英国ロンドンに本社を置き、世界20ヵ国以上、約7,000人の社員を通じて事業展開を進める当社グループでも有数のグローバル企業です。PTは多様な文化を融合して一つの企業文化に昇華させるとともに、多くの国にまたがる組織のガバナンスの推進に取り組んでいます。その取り組みの一つとして、業務プロセスにおいて、全社共通の業務標準をグローバルガイドラインとして定め、それを 補完する各地域の標準をローカルガイドラインとして策定しました。さらに、これらガイドラインを同社イントラネット上の“METRIS”と呼ばれるシステムから容易に閲覧し、理解できる仕組みを構築しました。この仕組みにより、各従業員はそれぞれの所属地域で従うべきグローバルおよびローカルガイドラインを、業務プロセスごとに明確に認識するとともに、これらに従う義務を負いますが、同時にガイドラインを遂行するために必要なアクションはそれぞれシステム化・定型化されており、イントラネット上で公開・提供されています。 このようにPTでは“METRIS’’を介してガイドラインの浸透が図られ、グローバルでの業務標準の融合と統合が進められています。

なお、コンプライアンスに関しては、ガイドラインの浸透をより確実にするための組織と体制も整えられています 。グローバル責任者の直下に各地域のコンプライアンス責任者を配置。独立した組織において各種のチェック、報告などが地域や時間の壁を越えてグローバルレベルで機能するようにシステム化されており、ペーパーレス化も進んでいます。

"METRIS"の画面サンプル

研究開発事例

硫黄酸化物の排出規制強化に対応する舶用SOxスクラバーの開発

当社の船舶・海洋事業部は三菱日立パワーシステムズ(株)(MHPS)と共同で、船舶搭載機関の排ガスからSOx(硫黄酸化物)を効率的に除去する「舶用大型スクラバー」を開発しました。MHPSが火力発電所向けの排煙脱硫装置などで培った総合排煙処理技術をベースとしながら、当社の船舶エンジニアリング力を活かすことで、大型コンテナ船などの大出力機関にも対応できる高い処理能力と、少ないスペースへの設置性に優れた箱型(方形)を実現した点では、世界初となります。2020年に全海域が対象となるSOx排出規制の強化に対応して、安価なC重油を使った際の排ガスを高価な低硫黄燃料を使った際のレベルまで浄化でき、既存船舶への設置も容易な構造となっています。2020年までの供給開始を目指し、今後両社で同スクラバーの実船搭載による実証などを通じて各国からの承認取得を進めながら、当社建造船に限らず、新造・就航船向けに提案営業を展開していきます。