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グローバル社会に適応した経営基盤の構築―ESGへの取り組み―

当社グループは真のグローバル企業に進化するため、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮しグローバル社会と調和した経営基盤の構築を進めています。世界の激しい環境変化や幅広い多様性に対しても適応し、社会に高い付加価値を生み出すことができる企業となることで、持続的な成長を目指していきます。

3つの重要課題の特定

当社グループは2014年度に、現在の外部環境と経営革新とグローバル化を推し進めている自身の現状を踏まえて、社会および企業価値の双方にとりわけ大きな影響を与え得るESGにおける3つの重要課題を特定しました。その過程では、社会の視点としてISO26000やGRIなどの各種国際基準やステークホルダーの意見、メガトレンドを取り入れる一方で、事業の視点として各部門へのヒアリングを行い、事業上のリスク分析や事業戦略立案の一環として経営層の承認を経ています。これら3つの重要課題への取り組みにより、グローバル社会に適応した経営基盤を構築していきます。

  • 重要課題 1 組織文化ベースでの最適なガバナンスの構築
  • 重要課題 2 グローバルベースの人的資源の活用
  • 重要課題 3 メガトレンド(グローバル市場)への適合

重要課題1 組織文化ベースでの最適なガバナンスの構築

KPI:コンプライアンス通報件数

グループ会社を含めた全社員を対象にした「三菱重工コンプライアンス通報窓口」ならびに「三菱重工社外通報窓口」を設置し、これら窓口へ通報のあった全件に対して、コンプライアンス委員会事務局が速やかに調査し、適切に対応しています。

通報件数の内訳表

  • ・事業を通じて持続的に社会に貢献するための組織確立
  • ・公正な事業慣行・適正な労働慣行の遵守

目標

グローバルな普遍性を共有する組織文化が確立されていること

戦略 KPI

  • ・グローバルで統一した、国際行動規範に適合したポリシーの浸透(普遍性の確立)
  • ・透明性の向上(普遍性の担保)
    情報開示の拡充/ステークホルダーとの対話

国内外における国際行動規範への適合

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各地域のナショナルスタッフに対するコンプライアンス導入研修

当社は2004年に「国連グローバル・コンパクト」に参加し、人権、労働、環境、腐敗防止の4分野における10原則の普及・実践に努めていくことをコミットし、国際的な行動規範に則った事業活動を行っています。

コーポレート・ガバナンスについては、経営の健全性・透明性の向上および多様性と調和を重視した「日本的グローバル経営」の実現を目指し、社外取締役の増員や役員報酬制度の変更、監査等委員会設置会社への移行など、これまでさまざまな改革を行ってきました。

また、コンプライアンスへの取り組みについても、2001年に「コンプライアンス委員会」を設置するとともに、これまでの「三菱重工コンプライアンス指針」を発展させた「三菱重工グループ・グローバル行動基準」を2015年に制定しました。三菱重工グループは、多様な経歴、国籍、文化を持つ約83,000人の人々からなるグローバル・カンパニーです。当社グループは、こうした多様性を活かすと同時に、一つの共通した企業文化をグループ会社に浸透させて事業を行っていく必要があります。この行動基準は、公正な競争、汚職防止、輸出関連法規遵守など、三菱重工グループの社員がどのように行動すべきかというグループ共通の規範を規定したものです。2016年度下期には行動基準eラーニングを新規開設し、国内外グループ会社も含めて受講必須としてグローバル展開を行い、理解浸透を図りました。

さらに、2016年度より、中国、アジア・パシフィック、欧州、北米の各エリアを統括する地域統括会社にコンプライアンス推進支援機能を配置し、各地域の実情に応じたグローバルコンプライアンス活動を推進しています。同年8月には、各地域の監査・コンプライアンス担当ナショナルスタッフに対する初の導入研修を品川で開催し、各スタッフが各地域の取り組み状況についてプレゼンテーションを行いました。参加者からは、「普段交流のない他地域の担当者と交流する機会となったうえ、取り組み状況を知ることができ、大変刺激になった。今後も継続してほしい」などの声をもらいました。

ステークホルダーとの対話

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日時:2016年9月14日
海外有識者:Roel Nieuwenkamp氏
(OECD責任ある企業行動に関する作業部会 議長)
Thomas Thomas氏
(ASEAN CSRネットワーク CEO)
対話窓口:CSR部門
ファシリテーター:高橋 宗瑠氏
(ビジネス・人権資料センター 日本代表)

当社は、顧客、サプライヤー、ビジネスパートナー、グループ社員、地域コミュニティなど、当社に関わるさまざまなステークホルダーの声を経営に活かす取り組みを重視しています。日々の事業活動におけるさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションに加えて、CSRや社会課題に関する外部有識者とダイアログを行うことで、社会的な視点をより積極的に取り入れるように努めています。2016年度は、人権をはじめ環境やガバナンスに深い知見を有する2名の海外有識者とダイアログを実施しました。

ダイアログの中でNieuwenkamp氏からは、特に人権侵害リスクの高い鉱物のサプライチェーンにおけるデューディリジェンスに関して、他社の先進事例を紹介いただくとともに、まずはサプライチェーンのリスクをマッピングして、リスクの潜在する箇所を特定・認識することが最初のステップであるなどの助言を受けました。Thomas氏からは、当社がこれまでに目立った人権問題に直面していないことは良いことであるが、仮に問題が起きた際に適切な対応をするためにも、当社の多種多様な事業活動における人権リスクを常に認識して備えておく必要があるなどの助言を受けました。引き続き、このようなステークホルダーの意見を経営に活かしていきます。

重要課題2 グローバルベースの人的資源の活用

KPI:女性管理職者数

2014年7月に「2020年までに女性管理職者数(課長相当職以上)を現状の3倍に引き上げる」目標を設定し、多様性を追求するダイバーシティマネジメントの一環として、女性の活躍を推進しています。

表

(注)原則、三菱重工業(株)および三菱日立パワーシステムズ(株)の数値。

  • ・グローバル化に適合できる人材の確保・育成
  • ・ダイバーシティと機会均等(女性の活躍推進含む)

目標

多様性が受け容れられている組織であること
(多様性を阻害する要因が取り除かれていること)

戦略 KPI

多様性に関する指標の改善

グローバルHR部の新設

2008年と2016年の人員構成比較

事業会社化やグローバル化の進展、M&A・合弁会社の増加といった事業形態の変化に合わせて、グループ内の人員構成も大きく様変わりしてきています。

当社グループでは、これまでも事業ニーズを踏まえたグローバル人材育成体系を整備して、スキルとマインドの両面における対応力強化に取り組むだけでなく、特に近年のグローバル展開が必要な施策では、企画段階から海外グループ会社人事担当者を巻き込んでリソースの有効活用を図りながら、当社ブランドを活かした効果的な採用プラットフォーム(共通基盤)の導入・活用や、海外ビジネススクールとの連携による現地での人材育成機能強化などを進めています。加えて、人事情報についてはグローバル人財データベースを構築して、海外を含む連結ベースで約180社83,000人分のデータ集約をほぼ完了しており、これにより地域別・職種別といったさまざまな切り口での統計分析が実現できるようになります。

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海外グループ会社を巻き込んだ施策展開(欧州でのHRカンファレンス)

こうした従来の施策の拡充に加え、将来的な事業環境や人員構成のさらなる変化を見据え、買収・合弁先や海外を含むグループ・グローバル連結ベースでの人材マネジメント(タレントマネジメント)をよりいっそう強化・推進するための専門組織として、2017年4月にグローバルHR部を新設しました。今後は日本・海外を問わず各国・地域に根差した人材のさらなる活用に加え、特に上級役職者においてはグローバルレベルでリソースを最適活用できるような施策を加速していきます。

その一例として、上述の集約された人事データを最大限活用すべくタレントマネジメントの分野でもプラットフォーム(共通基盤)システムの導入を進めており、例えば経営上の重要ポジションに対する後継者候補を国内外グループ全体から見出すことを可能にするとともに、これらの施策実現の基盤となるグループ共通のHRガイドライン策定を進めています。

女性の活躍推進

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理系女子採用強化プロジェクトチーム

多様性を追求するダイバーシティ・マネジメントの一環として、女性の活躍を推進しています。

2014年7月には、「2020年までに女性管理職者数(課長相当職以上)を現状の3倍に引き上げる」目標を設定しました。

現在は、「女性従業員数の拡大」「育児・介護中のキャリア支援(キャリアを中断しない仕組み作り)」「女性管理職の計画的な育成」「風土醸成」の4つのテーマを掲げ、出産や育児から早期に仕事に戻るための柔軟な働き方の検討、そして女性のさらなるキャリアアップのための仕組みづくりや環境整備を進めています。

これらの取り組みの成果もあり、女性管理職者数は2014年度の85人から、2015年度は102人、2016年度は126人、2017年度は149人へと着実に増加しています(注)

(注) 原則、三菱重工業(株)および三菱日立パワーシステムズ(株)の数値。

重要課題3 メガトレンド(グローバル市場)への適合

  • ・グローバルニーズに応えるイノベーションと品質管理
  • ・安全と安心の高度化(情報の発信と透明性の確保含む)

目標

グローバルな社会ニーズに適合した戦略策定・事業運営を行っていること

戦略 KPI

ステークホルダーによる評価の向上
(SRI 調査、顧客満足度調査など)

国内外市場への取り組み

当社がグローバル企業としていっそう成長していくために、2016年度にマーケティング&イノベーション本部を発足させました。同本部では、事業環境変化や技術トレンド、世界各地域特有の社会動向や技術ニーズを継続的に調査し、当社グループとしての市場機会およびリスクを分析しています。これにより、国内外の事業拡大・強化のための多様な戦略・アイデアを創出するとともに、お客さまや協業先とも連携し、事業・製品・サービスの提案と実用化のための検証を行います。

オープンイノベーションの拡大

2015事業計画における当社の研究開発は、外力を積極活用したバリューチェーン全体にわたる「イノベーション創出力の強化」、グローバル市場での比較優位に焦点を当てた「技術基盤強化」を二本柱に総合研究所が推進しています。

具体的には、材料・流体・伝熱など複数製品に適用可能な分野の要素技術やバリューチェーン全体に関わる製造プロセス技術の開発を中心に、国内外トップクラスの大学、研究機関などと協業しています。製品開発・設計のキーとなる大規模数値解析技術などの一部はすでにガスタービンなどの製品開発や設計に適用され、成果が上がっているものもあります。また、世界トップクラスの研究機関と協業することで、技術や製品の開発期間を短縮しています。

今後もグローバル競争に勝てる製品開発を目指し、協業先や協業分野の拡大を通じた開発効率化を推進していきます。

ものづくりのグローバル展開

グローバル展開を進める際、国内で確立した技術・ノウハウを単に海外拠点に移転しただけではスムーズな立ち上がりとはならないのが現実です。現地工場や現地サプライヤーの能力などに合わせた技術・ノウハウについて移転上の工夫が必要となり、バリューチェーン本部主体でその支援を行っています。

具体的には、現地で製作できる仕様への見直し支援、現地で調達できる代替部品・材料の体系化等の仕組み構築支援、現地工場および現地サプライヤーの指導などを行っています。

イノベーション推進研究所

変化のスピードが極めて速いグローバル市場において、機械・エンジニアリング分野を得意とする複合企業である当社グループの長期成長戦略を検討していくうえで必要なことは、グループ内の取り組みのみにこだわることなく、外部の最先端の知見を取り込んでいくことです。これを推し進めていくための組織として、研究開発専業法人としてのイノベーション推進研究所を設置します。本研究所では、研究者の外部登用を促進するとともに、研究者に大きな裁量を与えるなど従来にない発想とアプローチを取り入れて、自由度の高い研究活動を国内外で行い、その成果を当社グループの基盤技術や新製品の開発などに活用します。