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社外取締役インタビュー

「当社の社外取締役であり、コーポレート・ガバナンスの専門家でもあるクリスティーナ・アメージャン氏に、当社のガバナンスに対する印象や、企業価値を高めていく上での今後の課題を聞きました。」社外取締役 一橋大学大学院 商学研究科教授クリスティーナ・アメージャン 氏 Profile:コーポレート・ガバナンスや、グローバリゼーション、資本主義システムなどが専門研究テーマ。コロンビア大学ビジネス・スクール助教授を経て、現在は一橋大学に勤務。また、日米の企業での勤務経験をもつ。

三菱重工に対する印象

実は三菱重工に対しては “Old Japanese Company”というイメージをもっていました。しかし、大宮会長(当時、社長)とお会いして「そうではないのかも」と感じたため取締役に就任してみると、グローバルな視点で、戦略的に考えている企業だという印象に変わりました。特に(株)日立製作所との火力発電システム事業の統合は、従来の日本企業にはない決断なので、初めて聞いたときは大変驚きました。

コーポレート・ガバナンスは、就任した2年前から着実に進化しています。当初は取締役会の人数が多く、細かい執行や技術に関する議論が多かったのですが、最近は取締役の数も減り、チーフオフィサー制となったこともあって、グローバル戦略や人材、リスク管理、ITなど、取締役会に相応しい議論が行われています。

私たち社外取締役に対しては、知識差を埋めるために取締役会の数日前に、資料の送付や必要に応じたブリーフィングなどのサポートが行われています。取締役会中も、社外取締役や社外監査役の意見に対して「検討します」というように受け流さず、真剣に対応しています。

ガバナンスというと、最近では社外取締役の問題に矮小化されがちですが、実際にはシステム全体の問題です。特に企業のトップ自身が企業価値にあまり興味がなければ、社外取締役が多くても意味がありません。三菱重工は宮永社長の意識が高いため、ガバナンスが機能しているのだといえます。その成果は、日本の製造業としては高いROEにも表れているのではないでしょうか。

企業価値向上のための課題

現在進めている方向性は正しいので、これを実行し続けていくことが何より大切です。その上で、グローバルな競争を勝ち抜くために重点的に取り組むべき課題がいくつかあります。

一番はグローバル人材、つまり日本人社員のグローバル化と、海外の従業員の確保です。また、女性の活用も含め、ダイバーシティをどう活かしていくかも課題です。これらを成功させないとグローバルのメガプレイヤーと競争するのは難しいでしょう。

また、意思決定のスピードアップもまだ不十分です。調整に時間をとられているうちに、グローバルの競合企業はすぐに決断を下し、先行されてしまいます。

コーポレート・ガバナンスの面では、より広い経験や視点を取り入れるため、社外取締役に外国人経営者や海外での経営経験が豊富な方などをさらに増やした方がよいでしょう。

自身が果たしていきたい役割

社内の人間では言いづらいことでも気になることは率直に発言し、議論を促すことが社外取締役に求められていると思っています。日本は異論を唱えることが少ない文化です。だからこそ社外取締役が、株主や海外の従業員など、さまざまなステークホルダーの立場で意見することが重要だと考えています。このように社外取締役の疑問に答える経験は、対外的な説明責任を果たすためのトレーニングとなります。特に海外では具体的な説明が必要とされることが多いため、三菱重工の企業文化のさらなるグローバル化にもつながるでしょう。もちろん、私が大学で研究テーマにしているグローバル人材についても、引き続き積極的にアドバイスしていくつもりです。

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